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二次創作が嫌いな方は記事を読まないように。場合によってはものすごく気分が悪くなると思いますから。
ただし、動画はしっかり御覧ください。
「青コーナーより、ナナミ選手の入場です!ブロック決勝では、名劇界の天使アンジェレッタに完全勝利!肉体的な強さだけではない、変幻自在の攻撃に対しても凄まじい対応力を見せてくれた。パワー、スピード、テクニック、そして順応性…もしかしたら彼女はすべてを持っているかもしれないっ!ナナミ・シンプソン!!!」
「赤コーナーより、セーラ選手の入場です!もはや、名劇トップの人気キャラへと上り詰めた!格闘センスも抜群で現在無敗。準決勝まで来れたのは必然か?今日のセーラは一味違う!アンジェレッタのようなオーラをまとっているぞ!ガチンコ請負人、セーラ・クルー!」
「解説のジョー先生、よろしくお願いします!」
「よろしくお願いします」
「それにしても、前回の洗い熊戦までの頃と比べて、より一層美しくなりました。一体何があったのでしょうか。それにセーラ選手のあのオーラ、アンジェレッタのようですねぇ。一皮剥けたという感じがします」
「あの白いオーラの中に時々見える紫色のオーラが気になります。ほんのわずかなのですが、邪念のようなものが…。人であれば誰しもあるものの…確かにこの数日で彼女は何かが変わったのでしょう。美しくなった…」
この試合からピーターがセーラのセコンドに加わることになった。アーメンガードは外れ、ベッキー、ラビニア、ピーターがついている。
「メイド時代の苦労を本当に分かち合えるのは、ベッキーとピーターだけと言っても良いでしょう。セーラ選手のこの輝きは…ピーター選手によるものと思われます」
女性の心理をよくわかっているジョー先生は、うっとりとした表情で、普段はたいそう仲睦まじい2人を眺めていた。
セーラは気合十分。
「お嬢様、あれだけ対策したのです。絶対に勝てますよ!」
『「お嬢様」でなくセーラって呼んでほしいって言ったのに…でも、彼が来てくれて本当によかった。心の底か安心できる…』
「セーラ、負けたら承知しないわよ!」
「お嬢様、くれぐれもお気をつけて。ペースを握ってしまえばこちらのものです」
「ありがとう。みんな。じゃあ行ってくるわ!」
第一ラウンド
両者、武舞台に上がりました。
『いいなあ…セーラ先輩も彼氏持ちで…。そう言えば、私の相手みんな彼氏持ちばかりじゃないの。アン先輩はギルバートさんが。アンジェレッタにはアルフレドがいたし…はぁ~ぁ…。私の前にも誰か素敵な人現れないかなぁ。今度一人でレストランに行ってみよう。誰か声をかけてくれないかしら』
FIGHT!
始まった!準決勝!
「私、たかじょうまちにおったき。私こんまい頃、ようあっこの鏡川によう泳ぎに行ったで」
「あ~あ、ぱっぱわからんよぉ!」
元ネタはわからないけれど…すごく笑ってしまったセリフwww
「私は大先輩のアン先輩にも勝ったんだ。アン先輩のためにも…アンジェレッタのためにも…負けるわけにはいかないっ!」
ナナミは気合を入れ直した。
開始直後のセーラの瞬間移動!
一気に距離を詰め、斧を創り出し振りかぶる。
ドン!!
カウンターのボディーブローがセーラの腹にめり込んだ。
体が反転仕掛けたところへ、大剣が背中に振り下ろされた。
『この娘…私の動きを読んでいた?』
やはり変幻自在のアンジェレッタを倒しただけのことはある。パワーだけじゃない。当て感、格闘センスが非常に優れている。読んでいたというよりも、本能が、体が反応したようなボディーブローだった。
『なんとか体勢を立て直さなきゃ』
両手にマジックソードを創り出したが、大剣一閃、続けざまに斬撃を受けてしまう。
『大きな剣だから、動きが遅いと思っていたけど、攻撃に入るまでのモーションが短い』
セーラ転倒!HPが一気に半分以下に!
「何をやっているのよ!セーラ!やられっぱなしじゃないの!早く立ちなさいよ!」
「お嬢様!まだ大丈夫ですよ!細かく、細かく当てていきましょう!相手の動きを止めて!」
『ああ、ピーター…なんて安心できる声なのかしら』
ジャベリンとラージシールドを生み出し、ナナミのふくらはぎめがけて一突き。勢いを殺されたところへ、ラージシールドを叩きつける。
「こんのぉ!」
ナナミが今度は右ストレートで打ち返す。セーラが生み出したマジックソードの方が早かった。ナナミはまたしても出鼻をくじかれた。
「そうよ!セーラ!いっけぇ~!」
「あぶない!お嬢様!」
ベッキーが叫んだ時は遅かった。ナナミの周囲からは爆発波が発生し、セーラを吹き飛ばしていた。
セーラすぐに起き上がり、剣、斧で反撃。
「セーラ先輩、スピード、テクニック、トリッキーさも…すべて私の想像以上だわ!」
「ナナミさんこそ、これだけ私に打ち込まれているのに、ピンピンしているなんて…!」
ナナミは斧で何度叩かれても立ち上がってくる。凄まじいタフネスだ。
『剣が来る!』
セーラは警戒したが、あっという間に距離を詰められ、強力な頭突き!
ごンっ!
観客席にもはっきりと聞こえた鈍い音。頭蓋骨同士の衝突事故。
「「お嬢様ぁ!」」
ベッキーとピーターが同時に叫んだ。ベッキーが心配してしまうほどの激しい衝撃音だった。
『あのセーラが…一瞬白目をむいた?私がやろうとしたことを…ナナミがやってしまうなんて』
ゴン!
更に一撃。
「かはっ…!」
今の一撃で目を覚ました。覚醒したセーラは3発目の頭突きをかろうじて防いだ。
斧を生み出し、セーラは遠心力を使って思い切り叩きつけること2回。倒れたところを更に突進で追撃。再び転倒。そこにもセーラの斧が迫る。
「ナナミ相手に全くの容赦なし!セーラの勝ちへの貪欲さを感じます!」
実況も大興奮のシーソーゲーム。
セーラの容赦のない連携攻撃、それを耐え続けるナナミの驚異的な打たれ強さ。
セーラの攻撃を止めるべく、右の足刀蹴り。腹部に突き刺さる。
マジックソード、斧を繰り出す。ナナミは大剣で突き。一撃の重さはナナミの方が上だ。
武舞台の端までナナミを追い込んだ。
KO!
「やったぁ!」
今までの闘いでは常に冷静なセコンドであったベッキーも、ピーターとラビニアと手を取り勝利を喜んでいた。
ナナミもセーラも、疲労困憊。肩で息をしていた。
『セーラ先輩…本当に強い!力強いアンジェレッタって感じね。ただ…この手の動きは体験済みよ。アンジェレッタ戦で学ばせてもらったわ。勝機は十分ある!』
『アン、ポルフィ、アンジェレッタを倒してきただけのことはある。強い。長期戦は危険ね。次のラウンドはすぐに決着をつけないと』
ベッキー、ピータ―が手際よくセーラの応急処置を。ラビニアはそっとセーラの額あたりに手を当てた。
『真剣勝負をしている時のセーラもとっても綺麗だわ…えっ?』
「セ、セーラ、あなた、おでこにたんこぶできているわよ!」
『なぜそれを今言うんだ!?』
ピーターとベッキーは同時に思った。ファスナーが開いている、大きなゴミが髪についている、ノリが歯にくっついている。この手のことを指摘してあげるのは親切だ。すぐに対処できる。しかし、たんこぶは隠すことはできない。言われても困る。
「そう…」
セーラは呼吸を整うのに精一杯で、一切気にしていなかった。
第2ラウンド
セーラとナナミが再び向かい合う。
「セーラか?ナナミか?決勝に進むのはどちらでしょうか!?おおっと!セーラ選手の額にたんこぶが!
「白いお肌に隆起する…まるで雪見だいふく…痛そうだわ…」
実況の叫び声に合わせて、解説のジョー先生が思わずつぶやいてしまった。
開幕と同時にセーラの体当たり。それはかわされ、ナナミの大剣の餌食に。
高く打ち上げられ、地面に叩きつけられる。受け身も取れないほどのダメージ。セーラは立ち上がりショートソードを生み出し斬りつける。直撃しているが、ナナミのHPを大幅に削ることはできない。
ナナミの足刀蹴り!
流れを変えてきたナナミの蹴り技。セーラのみぞおちにめり込み、体をくの字に折り曲げる。
流れを変えさせてたまるかと、セーラが打ち返す。それに応じる剣撃。オーラと大剣が衝突し火花が飛び散る!
両雄撃ち合うこと数合。
セーラはガードインパクトでナナミを弾き飛ばす。
ソードと斧で再びナナミを倒すが、すぐに起き上がる。
起き上がったところを斧で足払い。
「うわぁ!」
予想外の攻撃にナナミは驚きの声を上げてしまう。
「今だわ!お嬢様!」
ベッキーが叫ぶと、セーラは指先から細い糸のようなオーラを生み出し、ナナミの体を鞭打つようにして、宙へと打ち上げた。
セーラも空中へと飛び、両手でナナミの両足をクラッチしたまま、地面へと急降下。
バスター炸裂!
「ぐはっ…!」
強靭な肉体をもつナナミでも、これは応えた。かろうじて起き上がったものの、再びセーラの攻撃を連続して受けてしまった。剣で4発。それでもHPはあまり削ることはできない。
『この娘…タフ過ぎる!』
セーラは渾身の力でスピアを生成し、まるで弾かれた矢のように飛びナナミの体に突き刺さった。
吹き飛ばされたナナミの元へ走るが、起き上がったナナミの足刀蹴りがヒット。剣撃も2発ヒット。
「この一撃で仕留めて見せる!」
ナナミは巨大なオーラを生み出し、セーラもそれに呼応し気を練る。
『もうKOされてもおかしくない状態なのに、これだけ強力な気を生み出せるなんて…これが7つの海に揉まれてきた娘、ナナミ…!』
「ぐおおおおお!」
凄まじい雄叫びとともにナナミは剣を振りかぶり、セーラめがけて叩きつける。
「消えたっ!?いや、上だ!」
ナナミはセーラの動きを見切ったつもりだった。自分を飛び越えて背後にでも回るつもりだろう。が、大剣は空を切った。
『!!正面!?』
セーラの雪見だいふく並みのたんこぶが…眼の前にあった。
マジックソード一閃。ナナミの胸に強力な一撃が炸裂した。が、まだ倒れていない。
「もうやめてぇ!」
SRS席で観戦していたアンジェレッタが大声で叫んだ。側に居たアルフレドは、アンジェレッタのこんな大きな声を今まで聞いたことがなかったので驚いた。
KO!!!
『アンジェレッタさん…?』
セーラにアンジェレッタの声は届いていたが、これは試合だ。立っている限り、手加減はできない。それに…この試合で、彼女のタフネスぶりに驚き、背筋に何度冷や汗をかいただろうか。トドメの一撃とばかりにマジックソードを叩き込む。もう一度立ち上がってくる可能性だって大いにある。もう、これ以上立ちあがってきてほしくなかった。
ナナミは力尽き倒れた。
「勝者!セーラ・クルー!」
両陣営のセコンドが駆け寄る。
「ついに…負けちゃったか…セーラ先輩さっすが…とっても強いのね…」
ナナミは疲労と苦痛に顔を歪ませながらも、無理やり微笑みながらつぶやいた。
「紙一重だったわ…最後の一撃を受けていたら…危なかった。今までで一番強かったわ、ナナミさん」
セコンド陣営とも検討を称え合い、それぞれ自陣に引き上げた。
『どうやら、そうたやすくは、名劇クイーンにはならせてはくれないようね…』
セーラは小声でつぶやいた。
「お嬢様?何か?」
「ううん、何でも無いわ。ベッキー」
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