世界名作劇場最大トーナメント Bブロック決勝 アンジェレッタVSナナミ 前半

※本ブログでは記事中に広告情報を含みます
にほんブログ村 ゲームブログ レトロゲームへ 

世界名作劇場のキャラクターの三次創作、四次創作の妄想話です。苦手な方は即ブラウザバックを!

それでも読み進めてしまい、吐き気を催しそうになったらすぐにブラウザバックを!

でも、動画は必ず見てください^^

「っっっ~~~~!!!」

アンジェレッタは大好きなバスキン・ロビンスのアイスクリーム5段重ねを頬張っていた。大好きなポッピングシャワーをひとくち飲み込んだ途端、頭につ~んと刺激が走った。口の中はパチパチと弾けている。アイスだったらこれが一番の大好物だ。

明日はいよいよナナミとの闘い。やるべきことはやった。試合二日前からトレーニングらしいトレーニングはせずに、祖母のイザベラやアルフレド、黒い兄弟たちとゆっくりと過ごしていた。

一方、ナナミも十分な仕上がりを見せていた。
銀河の天使と言われるだけあって、底しれぬ力を感じる。一回戦でセディを、二回戦でマリア先生を撃破している。ベスト8を見ても作品の主人公は4名、他4名は主役以外の人気キャラが占めているし油断はできない。

肉体、精神ともにこれまでに無いほど充実しており試合に集中できている。明日は全く問題ない。

Bブロック代表はわたしよ!

「海神ポセイドンの申し子と言われたナナミと地上に降り立った天使との闘いが始まります!
かつては病弱だったアンジェレッタ、かたや、海中で育ったと言っても良い超健康優良児のナナミ!日本の国旗が振られております!世界名作劇場の主人公の多くが欧米人です。日本人が主人公の作品は「七つの海のティコ」のみ。おっと!今回は浴衣を着用しての登場です!ん~っ!!!似合うっ!髪の毛はオレンジ色だけど、やはりやまとなでしこ、和装はお手の物だぁ!」

ナ、ナ、ミ!!!

ナ、ナ、ミ!!!

ナナミコールが凄まじいっ!

「アンジェレッタ・モントバーニ選手の入場です!
ナナミが日本代表であれば、アンジェレッタはイタリア代表だっ!否!あの国旗は…「イタリア王国」の国旗だぁ!イタリアは歴史的に小国がひしめきあい離合集散を繰り返し現在のイタリアをなしている。統一されたのは今からたった172年前、1861年!イタリア統一には、祖母のイザベラ伯爵夫人も貢献したはず!
パワー系のマリア先生、バランス型のセディに勝利してきた。
元彼のロミオが敗北してからも全く動揺せずに、淡々と眼の前の敵を倒し続けている!
美しく青い髪はイタリアのリグリア海を、温厚な眼差しはアマルフィそのもの!私は…司会を務めるたびに不思議に思う…なぜ、こんな儚げな天使が血で血を洗うトーナメントに参加しているのかっ!?
得物は不所持。丸腰の宣戦布告!空想の鞘から抜き放たれたマジックソードがポセイドンナナミを袈裟斬りにするっ!アンジェレッタ・モントバーニ!!」

両雄対峙。

「悪の女魔道士ルックってかぁ?しかも何百年も前に流行ったやつでやんの」
「あんたよ、あんた!ほら、そこの!胸なし娘!!」
「悪かったわね!胸が無くて!」
「とりあえず挨拶代わりにあなたの荷物を灰にしてあげたわ!ホーッホッホッホ!ホーッホッホッホ!」
「よぉ~し!その挑戦受けて立ちましょう!」

『な、なんだ…?いつものアンジェレッタじゃない…?』

アンジェレッタが少々お下品な言葉で相手を挑発するなんて、今までになかったことだ。アルフレドは不審に思っていた。まるで何かが乗りうつったような…。

FIGHT!!

Bブロック決勝戦のゴングが鳴った!

「絶対にギッタギタのボッコボコのグリッグリッにしてやるか…!?」

ドンっ!

言いかけたナナミの土手っ腹にアンジェレッタの『オーラ斬り』が一閃。

「よぉく喋りやがるわねこの娘…」

ナナミは突然叩き込まれたボディーブローに思わずかがんでしまった。

「もっと…純粋に…ファイトを楽しめッッ!!!!!」

怯んだ隙にソードで斬り上げ、顔面が上がったところに薙ぎ払い、絶妙なワンツーがナナミに炸裂した。更に2発!

「ア、アンジェレッタってこんなに強かったのかぁぁ~!!!」

SRS席で観戦しているアンネットが立ち上がり絶叫した。まさかの強気な発言からの流れるような先制攻撃に興奮していた。

「ええ…強いわ…でも…」

アンネットが驚く傍らアニタはアルフレド同様異変に気づき始めていた。

「堕っちろ…堕っち…!?」

先制攻撃を受けて困惑していたナナミがようやく立ち直り始めた。連続技を決めさせてなるものかと、ガードインパクトで攻撃を弾き返す。バランスを崩したところに大剣一閃。

アンジェレッタ姫のおリボンが弾け飛んだ。゚(゚´Д`゚)゚。

倒れたところへ更に大剣の追撃!一刀両断されてもおかしくないほどの威力!それでもアンジェレッタは立ち上がる。

様々な武器を想像し、金属以上の破壊力を持つと言われる凶器がナナミの体に突き刺さり、斬りつけられ、叩きつけられた。すでに体力ゲージは3分の1以下、いや、ダウン寸前まで追い込まれていた。

「まだまだ甘いわね!」

『強い!変則的な攻撃が得意だと聞いていたけど…力も技のキレも今までの相手とは格が違う…!』

アンジェレッタはトドメを刺そうとするが、ナナミは必死の防戦。一撃でも食らってしまったらダウンだ。

「こいつはどう!?」

ナナミがアンジェレッタを掴み、空中へ放り投げた。技でもなんでもない、苦し紛れの一撃だったが、それでも流れを変えるには十分な技のはず。起き上がったところをローキック。

「やらせないんだからっ!」

ラージシールドをナナミの土手っ腹に叩きつけ、完全勝利!第一ラウンドはもらったぁ!
興奮状態あるいは一連の攻撃だったためか、もうひと押ししてしまった。ナナミは吹き飛ばされ、武舞台から落下してしまった!

「きゃあああああ~!」

ナナミの悲鳴が観客たちの耳をつんざいた。

物言い

「やっぱり…川村万梨阿さんのナーガの人格が出てしまっている。今までになかったことだけど・・・でも、戦闘中我を忘れてしまうとアンジェレッタが言っていたことがある…」

アルフレドが言うと、イザベラ様はうなずいた。

「そうなのです。極度の緊張状態、あるいは恐怖に直面した時現れたことがあります。昔、手術の前日も妙に強気なアンジェレッタになったことがありました。しかし、今回は…。アルフレド、最近アンジェレッタの身に何か変わったことはありましたか?」

言われたアルフレドはここ数日あった出来事を思い出していた。二人で軽くトレーニングをしたこと、アイスクリーム屋でデートをしたこと、黒い兄弟たちと食事をしたり、原作キャラとアニタ、アンネットらと食事をしたこと、夜、二人で部屋を抜け出してホテル周辺をお散歩した後、人気の無い馬小屋で…他には…。

「あっ!そう言えば、この前トレーニングのために、アンジェレッタがもう一人のアンジェレッタを生み出していました」

「なんですって?アンジェレッタがあの技を!?一部のモントバーニ家の人間が使えると言われています。私も若い頃は使えました。想像力が常人の数百倍、いや数千倍も優れているアンジェレッタだからこそ可能な分裂技。肉体だけでなく精神も分裂させてしまう。分裂した方も個性を持ち副人格となってしまうこともある。今回、試合中にアンジェレッタ以外の人格が生じてしまったのは…そのトレーニングの副作用かもしれませんね…。アルフレド、分裂していた時間はどれくらいでしたか?」

「大体2分弱でしたが…」

「2分!?そんな長い時間…危ないわね。二度と分裂はさせないように言いつけます」

「私は…なんてことを…」

自分が自分でない状態と認識しつつも、もう一つの人格に身を委ねてしまつていた。アンジェレッタは自分を取り戻したが、しでかしたことの大きさに恐怖していた。

ナナミファン達は大激怒、ブーイングどころではない。アンジェレッタファンとの小競り合いまで起こり始めている。反則負けとしてしまうのはあまりに惜しいし、格闘技の試合で、試合終了のゴングが鳴った後、あるいは審判のストップがかかった後も攻撃をし続けてしまうことがある。普段練習しているコンビネーションを途中で止めることの方が難しい。

そこで、トムソーヤの冒険に登場した「デビットガリック一座」の座長が登場した。名女優リゼットを排出した劇団である。日本においては、劇団ひまわりに匹敵する。

本来であれば、司会進行役のベア先生が説明すべきだが、激昂した観客の怒りを買うことを避けたかったことと、このような場をおさめるには座長のような人間の方が適役だと判断したからだ。

「今大会ではKO宣告後、攻撃が継続されたケースがありました。それは一つの技の一連の流れであり反則と見なしておりません。しかしながら、アンジェレッタ選手はKO宣告後も攻撃を続けた上に、対戦相手を断崖絶壁に叩き落としてしまいました。よって、今回は明確な反則行為とし「警告」と致します。
判定なしの完全KO決着の最大トーナメントにおいて、反則に対する「厳重注意」や「警告」がいかほどのものなのか?当然、このような疑問を持つ方もおられるでしょう。警告を受けた選手は、今後、軽微な反則をした場合、即失格となります。例えば試合中、インターバル中での相手選手への暴言等は、即失格となります。以上!」

座長から説明がなされたものの、ナナミファンは納得がいかない。反則行為に対する処分が軽すぎると激怒している。一方、観客席の大多数を占めるアンジェレッタファンたちは、「処分が重すぎる」「わざとじゃないんだから許してやれ!」と叫んでいる。観客同士がそこかしこでつかみ合いを始めた。座長が困り果てていたときだった、突然、試合会場の大スクリーンが光り始めた。

「黙れっっっ!!!!!!クソ野郎共っ!!!!!」

大会主催者にして財閥の総裁…ミーラ総裁がスクリーンに!

「四の五の言うんじゃねえ!今大会では、この程度の攻撃で…反則行為としないことに致します。そもそも、この大会に出場する選手はそんなにやわじゃあないっ!文句ありますか?それでも文句のある方はどうぞお帰りください。こんなエキサイティングな死合を見たくないのならね…」

会場は沈黙した。普段温厚な総裁からは考えられない一言。もっとも、総裁の姿を実際に見たことあるのは、名劇キャラでもほんの一部であったが…。会場から立ち去る観客は一人もいなかった。

「ティコ!!」

ナナミの元気な声が聞こえた。落下してからすぐにティコを召喚したため、地面への直撃を免れたのだ。

「ああ…っ!良かった!」
安心したアンジェレッタは膝から崩れ落ちた。
「私がこんなことで死ぬわけがないでしょう!大丈夫よ、アンジェレッタ!」
「うん…ごめんなさい…」
涙を拭きながら笑顔で応えた。
「気にしないで。残りのラウンドも楽しみましょう!」

「まさに海のように広い、ナナミ選手の心!逆にアンジェレッタ選手の気持ちを慮っているっ!」

司会のベア先生は叫んだ。

アンジェレッタは自陣に戻ると、すぐにアルフレドに身を預け抱きしめた。

「アンジェレッタ…もう大丈夫だよ。ナナミはあんなに元気だ。イザベラ様から話は聞いたよ。気にしないで、手当をしてから次のラウンドに備えるんだ」
「うん。ありがとう。アルフレド。でももうちょっとだけこうしていてくれる?」
ロミオが黒い兄弟たちが、なぜ彼をリーダーにし頼っていたのか、今になってよくわかる。身を委ねた時の安心感、包容力、どんな事が起きても必ず解決してくれそうな人だ。多くの大人と出会って来たけど、この少年ほど頼れる人にあったことはない。

「さあ、アンジェレッタ様。お手当をいたしましょう」

チェルビオが救急箱を持ってきてくれた。アルフレドが血を拭い、消毒包帯を巻いてくれた。それだけで心地よい。

「セコンドアウトっ!」

両雄、再び対峙。

コメント

タイトルとURLをコピーしました