決勝ブロック開幕っ!Aブロック決勝戦 セーラVSラスカル

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二次創作が嫌いな方は記事を読まないように。場合によってはものすごく気分が悪くなると思いますから。

ただし、動画はしっかり御覧ください。

各ブロック決勝戦開会式

「地上最強を目指して何が悪いっ!!!」

司会のベア先生の絶叫が会場にこだまする。
会場のボルテージは最高だ。

「名作劇場のキャラとして世に登場したからには、誰だって史上最強を志すっ!!!
このトーナメントに参加していなくても、名劇キャラであれば史上最強を夢見たことがあるだろう!?ルシエンも、ジョバンニも、スタッフィも!ダイアナも!マーサおばさんも!それが名劇キャラの心理である!
ある者は、サソリ団の猛威に屈し。
ある者は、人買いのルイニに屈し、煙突の灰とともに消えた。
ある者は、ガスパールの暴力に屈し、
ある者は、パン屋のババアに騙されて泣き寝入り…

最強を目指しながらも志半ばで倒れていった名劇キャラたちは、それぞれ別の道を歩み始めた…。
しかし!
トーナメントに参加した32人は違う!
血で血を洗うトーナメントを生き残った、偉大なるバカ8人っ!!!
名劇史上誰よりも!誰よりも!最強を求めた8人の入場だぁ!!!」

セーラ・クルー!史上最強の美と財を兼ね揃えた、名劇界の大地母神!狂気の世界であるソウルキャリバーで無敗を誇る真の女王!

あらいぐまラスカル!捕食、交尾、それ以外は眼中にないっ!眼の前の敵をむさぼり食うっ!セーラもピーターパンやペリーヌのように屠るつもりかっ!?

アンジェレッタ・モントバーニ!名劇界に降り立った慈悲深い天使!人類にとって、天使との闘いは戦争を意味する!常時天使の輝きを全身から発しているアンジェレッタに対抗できる人間はいるのかぁっ!?

ナナミ・シンプソン!原作なんて知らねーよ!名劇界完全オリジナルのスーパーヒロイン!日本代表であり、ポセイドンに魅入られたと言われている!

名犬ラッシー!誰だぁ!?ピットブル以上の猛犬に爪まで与えたのはぁ!?なぜ自分がこのトーナメントに参加しているか?それはわからない。飼い主の言うことを聞いているだけなんだ!

エリザベス・マーチ!若草闘魂四姉妹で一番おとなしい女の子?今は違う!剣の技術は姉のジョオに学び、ジョオ以上の技量とも言われている!変則的な双刃刀の動きは予測不能!

デーズィ・ブルック!メグの長女で、控えめでおしとやかな性格は、多くの男性ファンを虜にしている。トーナメントでは叔母エイミーから授かった忍術で、ウェンディと叔母であるジョオを撃破!バーリートゥード(なんでも有り)ならこいつが一番怖い!

小さいマリア!齢、一世紀。免許証の年齢を世紀で記載できるのは彼女だけ!病弱だったのに名劇界の生き字引となった。仕込み傘の一撃を喰らうが良いっ!

「みんあぁぁぁぁぁ!!地上最強の生物が見たいかぁぁぁぁ!!!?」

司会のベア先生の言葉に会場は興奮の坩堝と化した。

「うおおおおおおおおおおお!!!」

リナルドは髪を振り乱し、ダンやエミルは上半身裸になって雄叫びを上げている!メグも髪を解いて腕を突き上げている!ジュリアもジミーも…観客である名劇キャラたちは失神寸前の興奮状態にあった。

「私もですっ…私もですっ!みなさん!!」

涙をこぼしながら叫ぶベア先生。

「ありがとう!ありがとう!」

観客たちはこのマッチメイクに…大感動していた!

各ブロックの決勝戦開会式終了後、選手たちは控室に戻った。

「準備万端ですね。お嬢様」

ベッキーはセーラの落ち着いた表情を見て声をかけた。かつてのライバルとも言って良いペリーヌすら破っている狂気の洗い熊相手にも、全く気おくれてしている様子はない。いつものお嬢様だ。たとえ、相手が悪魔でもあってもお嬢様は堂々と落ち着いて闘うに違いない。

「セーラ、こんなところで負けたら許さないわよ。私に洗い熊の毛皮をプレゼントしてほしいものだわ」

ラビニアは2回戦終了後、セーラとは随分打ち解けていた。

「ラビニア…いくらなんでもそれは可哀想だわ。可愛い洗い熊ちゃんじゃないの。手懐けてあげれば可愛いペットになるはずよ」

「ふんっ!そんな甘いこと言っていたら足元を掬われるわよ!いい?油断大敵よ!」

「ありがとう、ラビニア。肝に銘じるわ」

「じゃあ、行きましょう。セーラ」

アーメンガードが声をかけるとセーラは頷き、武舞台へ向かった。
セコンドはベッキー、アーメンガード、ラビニアの布陣だ。応急処置はベッキーとアーメンガードに任せ、ラビニア自身はアドバイスを送ることにしていた。

セーラの姿が会場に現れるやいないや、凄まじい声援に包まれた。
「セーラ!頑張って!負けちゃだめよ!」
「無敗のセーラ!愛しのセーラ!!」

第一ラウンド

武舞台に上がると大きな拍手があがった。向かいのコーナーでは洗い熊が爪を舐めている。

「パンくずをもらっておいてあげたわ。お願いだから、仲良くしましょうね!」

慈愛に満ちたセリフを放つセーラ。やはり、格が違う!これまでの人間たちとは違うと、洗い熊は認識した。

「パンくずごときで僕のラスカルを手懐けられると思うなよっ!ラスカルは超絶肉食動物なんだ!行けぇ!ラスカルぅ!」

スターリングは檄を飛ばすが、ラスカルは全く違っていた。
動物は相手の目を見る。底しれぬ奥深い眼差し。多くの修羅場をくぐってきている。ただ強いだけでない…これは…!

セーラは片手を洗い熊にかざした。

「!?」

驚いた洗い熊は一瞬体が硬直した。

『馬鹿な…私が怯えるなどありえない…鋭い爪や牙は相手を斬り刻むためにあるっ!』

恐怖に駆られたラスカルはセーラに飛びかかった!
開始直後のラスカルのワンツー!躱された!

一撃の重さは十分わかっている。今度は逆にセーラが洗い熊の背後を取ろうと動く。

「ああっ!」

セーラの動きを読んでいたラスカルはセーラに斬撃を加えた。これに怯まず、セーラは距離をとってから一気に詰める。斧での一撃だ。洗い熊の勢いを挫くには絶好の一撃となる…はずだった。

『こいつも躱せたぞ…人間の女め!喰らえ!』

セーラは逆に勢いを殺されてしまった。セーラは技を繰り出そうとするも、その都度、洗い熊に先制されてしまい技を発動できない。

『な、なんなのよ…洗い熊、セーラったら何をやっているのよっ!』

もし、自分がセーラに勝っていたらあの洗い熊と闘っていたと思うと、鳥肌が立った。セーラの動きを封じている。

「お嬢様!その距離は相手の距離でございますよ!」

「そ、そうよ!相手の距離なのよ!だから…」

「お嬢様、中途半端に離れてはいけません!距離を詰めてください!」

「そう!詰めて!詰めるのよ!」

セーラは近づいてから、剣、盾、槍を駆使して確かなダメージを与えていった。更に、全身での体当たりで洗い熊を岩場に追い込んだ。

「調子に乗るなよ!セーラ!」

スターリングが叫ぶと、洗い熊が猛烈な打撃でもってセーラを弾き飛ばした。一気に距離が開いたが、仕切り直しできる。

セーラのワンツーから接近戦、洗い熊が倒れたのを見るや、ジャンプしてから洗い熊の背中に拳を叩き込んだ。

「セーラ選手、空爆パンチをラスカル選手に叩きつけましたぁ!これは効いているっ!」

実況が叫ぶ中、ラビニアは舌打ちした。

「セーラったら、どうせなら後頭部に叩きつけていれば良かったのに!」

「ラビニアさん…見えませんでしたか?お嬢様は中高一本拳をあらいぐまの脊髄に打ち込んだのです。中高一本拳は、握力に自信があるものでないと使うことはできません。急所を撃ち抜く一撃ですが…果たして洗い熊への効果はいかほどかわかりません」

「み、見えたに決まっているでしょ!(ベッキー…あんたどれだけ強いのよ?ガートルードどころじゃないわね。まさかセーラと同等?)」

「えいっ!」

セーラの生み出したラージシールドが、洗い熊のあごを打ち砕いたぁ!第一ラウンドはセーラ!

第2ラウンド

「お嬢様いきなりっ!」

セーラの猛烈なラッシュ!一気に洗い熊のHPを半分ほど削った。

「効いてるはず…多分」

ベッキーは呟いた。
洗い熊の動きを見るに、第一ラウンドでの司会が言うところの空爆パンチを受けての影響はでているように思われるが、安心はできない。

「これでっ!」

洗い熊の脊髄に再び大地母神の拳が叩き込まれた。筋肉が異様に発達しており、一撃では効果が薄いと判断したからだ。更に攻撃を重ね、ラスカルのHPは残り3分の1を切った。

「セーラ選手!凄まじいラッシュ!」

「やめろ!やめないとっ!この野郎!」

スターリングが叫ぶと、洗い熊の目が怪しく光った。反撃の開始だ。鋭い爪がセーラに襲いかかる。

「お嬢様、危ないっ!」

「お前の意地悪根性を叩き直してやる!」

セーラが空中へと打ち上げられたぁ!ペリーヌ達に大打撃を与えてきた大技だぁ!

「セーラぁ!」

アラビアは叫び、アーメンガードは目を覆っている。
洗い熊が巻き起こした旋風は、セコンド陣にも襲いかかった。風圧だけでもものすごいのに、直撃しているセーラのダメージが気遣われる。

最後はベアブレードで切り裂かれ、そのまま落下。
致命傷は逃れたものの、全身の骨と筋肉に激痛が走った。なんとか起き上がると、眼の前に洗い熊の姿があった。

『まずいっ…』

前転してからの後頭部への蹴りを受け、セーラはそのままダウン!

最終ラウンド

いち早く飛び出したラビニアはセーラに駆け寄り、ベッキーと一緒に肩を貸し自陣まで運んだ。
「すぐに手当しましょうね。お嬢様」

ベッキーはテキパキと応急処置を始めた。傷は幸い深くはない。名劇キャラの回復力の高さはアニメ界でも相当なものだが、セーラの回復力は更に早い。

「ちょっと休めば大丈夫よ。相手の動きもだいぶ読めて来たわ。次は必ず勝てるから安心して」

「そりゃあ、そうよ。あなたが負けるわけないでしょ。あなたの体はあなただけのものではないはずよ。私の分も背負っているんだからね」

ラビニアの叱咤激励も心地よく感じる。

「やり過ぎちゃったかもしれないわ…」

「え?何を?」

ラビニアは驚いた。相手の洗い熊に気兼ねでもしているのか?
セーラによると、中高一本拳を背中の同じ箇所に2発も打ち込んでしまったのはやり過ぎだったようだ。

「何言っているのよ!これは試合なのよ!甘いことを言っていたらやられちゃうのよ!」

「そうですよ。お嬢様。ここはラビニアさんの言うとおりです。次のラウンドは手加減なしでお願いします」

「わかったわ。ベッキー。洗い熊さんが苦しまないよう、すぐに終わらせてくるわ」

まるで勝利を確信しているかのような二人のやり取りを見て、ラビニアは口をつぐんでしまった。自分を含め、他の選手より頭ひとつ抜きん出ている。

白魔法っぽい技からのバトルアクス2連撃!
目にも止まらぬ連続技が次々と洗い熊の体に命中する。洗い熊も攻撃を繰り出すが、セーラの素早いステップですべて躱されてしまう。

「よく見ろ!ラスカル!捉えられない相手ではないだろう!」

スターリングが何か言っているようだが全く聞こえない。この爪が当たれば、なんてことはない。
しかし、洗い熊の攻撃は全く当たらない。

「ちょっとタイムだ!」

スターリングが叫ぶがセーラは止まらない。

『もう、動きにキレがなくなっている。可哀想に…すぐに仕留めて上げる』

「ギッ…!」

斧が剣が槍が盾が洗い熊の動きを止めた。

KO!!!

「勝者!セーラ・クルー!なんと、第3ラウンドは傷ひとつ負わずに完全勝利だぁ!!」

「やったわ!」

アーメンガードとラビニアはハイタッチをした。

「ベッキー、あれを!」

「はい、お嬢様」

ベッキーは袋から1mを超えるアメリカナマズを取り出し、ハンマー投げの要領でぶん回し投げ飛ばすと、セーラは左手で尾びれの付け根をキャッチした。

洗い熊は怯えている。ただの人間なのにこれほどの力量を持っているとは…見抜けなかった。

「怯えなくてもいいのよ、あらいぐまさん」

試合中とは打って変わった優しい瞳だった。邪念のかけらもない、動物をいじめるような人間ではない。

「はい、いっぱい食べてね」

セーラがアメリカナマズを洗い熊の眼の前に置くと、すぐにむしゃぶりついた。

「ゴリ!ゴキン、バキン!」

石のように硬い頭部の骨を噛み砕き、口いっぱいに頬張っている。口からナマズの目玉がころりと落ちた。続いてはらわたを引きずりだし嬉しそうに食べている。

「うわぁ…」
「げえぇ…」

観客たちは若干引き気味だ。

ぐちゃぁ…ズル・・・。

「うふふ…これ大好物でしょ?可愛いわね、あらいぐまさん❤」

セーラは愛おしそうに、口の周りが血まみれのあらいぐまの頭を撫でていた。それどころか、地面に転がり、セーラにお腹を撫でられている…!

『ラ、ラスカルが…俺にしか見せたことのない腹を…』

スターリングは激しい嫉妬の炎を燃やし歯ぎしりをしていた。

「お嬢様はやっぱり優しいお方だ。あたし、感動してしまいました…」

「ちょっと!ベッキー、感心してないで止めてきなさいよ。アーメンガードでもいいわ!おぇっ!」

ドン引きしているラビニアなど構わず、二人はセーラのもとに駆け寄り、喜びを分かち合った。ぐちゃぐちゃとナマズを捕食している洗い熊を警戒しながら、ラビニアもセーラを抱きしめ勝利を称えた。

動画をご覧あれ!

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