セーラ軍団 対ナナミ戦の準備に励む

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間違ってこのブログに来てしまった人。純粋にトーナメントの話を見たいと思って来てしまった人、二次創作が嫌いな人、世界名作劇場のイメージを壊したくないという方は即座にブラウザバックすること!フォロワーの方でも、年齢操作、キャラ変更など受け入れられない人は、ここから下は読まないでください。でも、動画はどうぞ!

エイミーの小細工

「だから言ったでしょ。デーズィ」

控室の前で叔母のエイミーが待ち構えていた。それ見たことかと言わんばかりの表情だ。
闘い疲れ傷ついてはいたが、今回の負けは今後の成長につながるとデーズィは確信していた。エイミーは先程の試合について何か言っている。

「言う通りにすれば良かったのに」

『過ぎたことをクドクドと…』

口には出さず、叔母を一瞥した後、控え室に入ろうとしたときだった。

「ちょっと!私の話を聞きなさいよ!」

エイミーは右手でデーズィの背後から奥襟を掴んだ。

「痛っ!奥襟に…カミソリ!?」

手を離したがすでに、右指数か所から出血していた。

「叔母さん!大丈夫!?カミソリ!?私そんなの仕込んでいないわよ!」

デミが控室に戻り、傷薬と絆創膏を持ってきた。

「ありがとう、デミ。これしきの傷、名劇キャラなら30分以内で完治するから大丈夫よ…!」

そう、確かに名劇キャラは大怪我をしても数日で治ってしまう。特に殴られても1日経てばほぼ完治だ。

「フォッフォッ…大方、エイミーさんがこっそりと仕込んでおいたのじゃろう。のう?」

サイラスはすべてお見通しだ。自分で仕込んだ小細工に自分で引っかかってしまうとは・・・なんとも情けない。

「ねえ、ナット。今度はあなたが私を待つ番よ…」

デーズィはとなりにいるナットに向かっていった。
ナットは一流のバイオリニストになるために、留学をした。そう、デーズィに相応しい漢になるために。勉学もさることながら、コンサートでの実演も幾度となく経験した。

「修行の旅に出るんだね。デーズィ…だろ?」
「今すぐ旅立つわ」
「まあまあ。そう急ぐ必要もあるまい。若かりし頃のベスさんと小さいマリアさんの試合を見てからでも遅くはあるまい。いや、このトーナメントを見届けてからにしなさい。デーズィ」
「そうね…。じゃあ、試合が全部終わってからにする!ナット、何か食べに行きましょう。お腹すいちゃった!」

ラビニア、横槍に手を焼く

「さあて、セーラ。どうやって対策するの?」

ラスカルとの試合を終えた翌日、ラビニア、セーラ、ベッキー、アーメンガードは、朝食を終えた後モーニングティーを飲んでいた。ラビニアはまるで自分が試合に参加するかのように張り切っている。「少しでもセーラの役に立ちたい」そんなひたむきな気持ちが伝わってきて、セーラも喜んでいる。ベッキーは2人のお嬢様が、今、手を取り合っているのを目の当たりにし微笑ましく思っていた。

「そうねえ…。彼女はとても力が強そうだから、組み負けないようにしなくちゃいけないわ。襟首を掴んで頭突きをされたらかなわないわ。それと、あの大きな剣も物騒よねぇ…」

試合間近で、武器を使用した超実践的なトレーニングは危険なので、組技、グローブをつけての打撃、それからスポーツチャンバラで使うエアーソフト剣の超巨大ver.を使用しトレーニングをすることにした。

控室と言えども、10人程度スパーリングできるほどの広さがある。セーラ、ラビニア、ベッキーは長いスパッツと長袖のラッシュガードを着ていた。ラビニアはピッタリした服を着たセーラを見て思わずゴクリとつばを飲んだ。

『前から気づいてはいたけど…この前の飲み会でも確信したけど…この娘、私より年下のはずなのに…許せない』

あれだけ貧相な食事ばかりだったのになぜ?いや、今は、ミンチン女学院でのメイド時代とは比べ物にならないほど栄養状態が良くなったし…いやいや…!それでも私のほうが年上なのだからっ…!認めたくない事実。ラビニアはちらっとベッキーを見やったが、そこにも受け入れがたい事実があった。

闘いのために肉体年齢を20歳程度にしているので、年齢差は関係ないと思いたいが、どちらにせよ発育面では分の悪いラビニアであった。

レスリングのスパーリングのような形式で練習が始まった。まずはセーラとラビニアのスパーリング。

「ふふ…セーラ、試合ではあなたに負けたけれど、力では私の方が上なんだから!それに、レスリングの本場アメリカから来たのよ。覚悟しなさい!」

数秒、様子を見てから、ラビニアがタックルを仕掛けた。なかなかの速さだ。

「ぐっ!?」

セーラはラビニアのタックルを左手一本で潰した。セーラはがぶりもせず、バックにも回ろうともせずに距離をおいた。

「このぉ…!」

怒ったラビニアが再びタックルへ。今度はタックルというよりも相撲のぶちかましのようだった。真正面から受け止め、がっぷりよっつになった。ラビニアは言うほど力が強いわけではなかった。いや、セーラが強すぎたのだ。セーラはすきを突いて腰投げでラビニアを投げ飛ばした。

『簡単に入られた…セーラは投げ技も強いのね…』

「さあ!もう一回よ!セーラ!来なさい!」

ラビニアが気合を入れ直したときだった。

「ラビニア、私達も手伝わせてもらうわよ!」

ジェシーとガートルードが入ってきた。すでに着替えを終えておりラッシュガード姿だった。

「ありがとう!ジェシー、ガートルード、嬉しいわ!」

セーラはお礼を言ったが、ラビニアは、この2人がスパーリングに参加してしまうと、セーラと肌を合わせる時間が減ってしまうので、声をかけなかったのだ。

「ぐふふ…セーラ相手に、あんた一人じゃ身が持たないでしょ?」

ガートルードがニヤニヤしながら、まるでラビニアを茶化すように言った。

「ふんっ!私とベッキーで十分よ」

今度はセーラとベッキーが組み合っていた。

『やはり…パワーだったらラビニアよりもベッキーのほうが断然上ね』

組み手争い、タックルを切る、がぶる。
ベッキーは、セーラのスピードとパワーに十分ついていっている。

「ひゅー!やるわね、ベッキー!」

ジェシーがベッキーの動きを見て目を丸くした。完全に自分やガートルードの強さを上回っていた。

下馬した御者

「お嬢様!こちらでしたか!」

女性しか居ない部屋に響き渡る男の声、一体誰だろうと見てみると、以前セーラの御者をしていたピーターだった。

「ピーター!来てくれたのね!!!」

セーラは弾けんばかりの笑顔でピーターに駆け寄り、抱きついた。彼と会うのは何ヶ月ぶりだろう。困ったときにはいつも助けてくれる彼。今大会では、ベッキー、アーメンガードがセコンドについてくれているし、ラビニアも手伝ってくれる。だけど、口では表現できない一抹の不安を抱えながら試合に臨んでいた。ピーターの顔を見ただけで、その不安が氷解した。やはり、自分にとってピーターは特別な存在なのだと、改めて確信した。

「本当はもっと早く来たかったのですが、忙しくて。でも、間に合って良かったです。次はナナミさんとですよね?俺で良ければ練習台になりますよ」

急に抱きつかれ、自分の胸に顔を埋めなかなか離れようとしないセーラお嬢様を意識してしまい、顔を真赤にしていた。

「ピーター…とっても嬉しいわ…」

ミンチン女学院でメイドとして働いていた時も彼に助けてもらった。その当時よりも更にガッシリとした体型になっており、胸板も厚くなっていた。セーラはその感触を楽しむように頬をあてた。

「セーラ!いつまで抱きついているのよ!早くなさいよ!次は私とよ!(また余計な邪魔が入ったわね…)」

「そ、そうね!ピーター、あそこに柔道着があるから着替えて来てくれる?」

「はい、お嬢様」

ピーターが道着に着替え、セーラを元立ちにしてスパーリングをすることとなった。時間制限は設けず、セーラが一本取るか取られるかしたら次の相手と変わる。元立ちは休憩なしのため、凄まじく疲労する。

「じゃあ私が最初ね!」

ラビニアが真っ先に名乗りを上げた。ラビニア、ジェシー、ガートルード、ベッキー、ピーターの順番でスパーを行う。

ラビニア、ジェシー、ガートルードの3人は30秒以内に投げ飛ばされ、抑え込まれ、関節を決められ一本負け。ベッキーは2分粘った後に一本負けを喫してしまった。5番手のピーターが登場。2人は組み合うと、セーラはあっさりと投げ飛ばされてしまう。

「きゃあ♪」

そのまま一気にサイドポジションを取り横四方固めで抑え込む。

『やっぱり男の子ね。あのセーラが力負けしている!どっちでもいいから一本取ってくれないかしら。早くセーラと組み合いたいのよ』

ラビニアはヤキモキしながら2人の様子を見ていたが2分経過しても、セーラは抑え込まれたままだ。

『ピーターは抑え込んだものの、攻め手を欠いているのね。さすがセーラ…』

関心しているラビニアの横で、ベッキーはニヤニヤと笑っていた。

「お嬢様ったら…ふふふ…」

セーラは膠着状態を自らつくりだしていた。横四方固めに抑え込まれながらも、両腕ガッチリとピーターの体をホールドしていので、ピーターは動きたくても動けないのだ。

(お、お嬢様…これではスパーリングになりませんよ。ベッキーが笑っていますよ。多分気づいているんだろうなぁ)
(ふふっ。良いじゃない。しばらくこうしていましょうか?)
(お嬢様~)

ピーターの困った表情を間近で見てセーラはいたずらっぽく微笑んだ。瞬間、素早い動きで抑え込みから逃げ、下から両足でピーターの腰をクラッチした。クローズドガードだ。ピーターは上体を起こしてセーラの脚を外そうとしたが、すぐにまた密着してきた。セーラの力に抗えず密着されてしまい、ピーターが覆いかぶさるような体勢になっている。

(お嬢様、ラビニアが睨んでいますよ…)
(ほっときましょうよ。ピーター…)

「ちょっとぉ!10分過ぎているわよ!早く私に変わりなさいよ!」

ラビニアが叫んだ瞬間、セーラは不意に力を緩めた。ピーターはしめたとばかりに上体をあげてしまった。その時あっという間にセーラの両足が首にかかり三角絞めが極まった。形は決まっているものの、ピーターはまいったをしない。極っていないのではない、極めようとしていないのだ。ギリギリ呼吸ができるところで止めている。寸止めされ、必死にもがくピーターの姿を、セーラは下から眺めていた。

(お嬢様の太ももが…ガッチリ…)

うれし恥ずかしの技が決まりかけている。そんな自分の姿を余裕の表情で眺めるお嬢様。
『お嬢様は…俺のことをどう思って…太もも…』
ピーターの動きが止まった。絞め落とされたのではなく、興奮のため意識が飛んでしまったのだ。

『極ってなかったものね。ふふふ、ピーターったら可愛い』

鼻血も出ていて、気を失っているので、ピーターはしばらく横になって休むことにした。

「さあ!セーラ!さっきピーターを絞め落とした技を私にかけてみなさい!」

ラビニアにとってはセーラの三角絞めはご褒美!喜び勇んで飛びかかったが、開始20秒あっさりと潰され腕がらみを極められてしまった。

「痛たたたた!!ピーターの時と扱いが全然違うじゃない!」

「そうかしら?」

いつもの笑顔ですっとぼけるセーラ。

「あ、あのう…私も練習に混ぜてくれないかしら?」

声の主を見てみると、つい先程一緒に朝食を摂っていたアーメンガードだった。

「アーメンガード?あなた、格闘技なんて全然できないでしょ…って、ちょっとぉ!!」

彼女は運動神経は鈍いし、そもそも格闘技の心得がないのに一体何しに来たのか。ラビニアが驚いたのはその姿だった。パンツの上に乗っている脇っ腹に下っ腹。貧相でない胸を小さなブラがかろうじて隠している。ブラ紐が背中と脇の肉を締め付けている。

「何よその格好!ラッシュガードくらい着てきなさいよ!ここは海水浴場じゃないのよ!それ、ビキニアーマーってやつ?隠さなきゃ行けないところが、見えそうになっているじゃない!」

「ぎしし…そんな格好で何する気よ?」

ジェシーとガートルードは思わぬ珍客に興味津々だ。

「セーラとス、スパーリングを…」

アーメンガードは顔を真赤にして恥ずかしそうに答えた。
先日、女子会を終えた後のセーラとラビニアが2人で何をやっていたのか、想像することもできなかったが、本能では理解していた。今までセーラのことを好きであったが、ラビニアがセーラに甘えている姿を見ていると、自分もそうしたい衝動に駆られたのだ。普通なら男の子に抱くような感情なのに…。

こんな変な格好だけどセーラが少しでも、私のことを好きになってくれたら、私がセーラに抱いている感情を…私にも抱いてくれたらどんなに良いか。

「わかった!あんた、もしかして罰ゲームでこんな格好させられているのでしょ?ジェシー、ガートルード、あんた達が仕組んだんじゃないでしょうね?」

「ち、違うわよ、ラビニア!私達そんな趣味無いもの!」

ジェシーもガートルードも首を振って否定している。

『ということは…アーメンガードの意思だと…!?セーラ目当てにこんな訳のわからん格好で来たのね』

「いいわよ。アーメンガード。いらっしゃい。優しく相手してあげるから大丈夫よ」

「あ、ありがと、セーラ…」

のろのろとセーラに抱きつく、セーラは優しく腰投げでゴロンとマットに転がした。

「ひゃっ!」

投げられ、セーラに抑え込まれそうになると小さなビキニアーマーが懸命に隠していた場所が…あらわになってしまった。

「こらぁっ!セントジョン!!!いい加減にしなさい!教育的指導ものよ!」

ラビニアの怒鳴り声が響くと、ピーターは目を覚ました。セーラの方を見やると、はだけた姿のアーメンガードが横たわっている。

「うわぁっっ~~~!!!?」

アーメンガードのあられもない姿を見たピーターは思わず鼻から出血、また気を失ってしまった。

「きゃああ!ピーターの変態!」

どの口で、どんな姿でベタな台詞を吐いているのか?

「変態はそっちでしょ!早く着替えてらっしゃい!なんて品性お下劣破廉恥極まる娘なのかしら…」

ラビニアは青筋を立てて本気で怒っている。

セーラは気絶したピーターの側に行き、鼻血を拭き、止血をしていた。

『ピーターは…ああいう格好をする女の子が好きなのかしら…?』

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