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リアル天使ポリアンナを倒した、人類期待の新鋭ジェーンであったが、1ラウンドも取ることもかなわず敗北してしまった。
多くの観客はジェーンの勝利を確信していた。観客たちの落胆は凄まじいものがあった。
「そんな…ジェーンが負けちゃうなんて…」
アンネットもアニタもショックだった。技のキレ、身のこなし、太刀筋、全てが達人の域に達していたのに…やはり私が出なければ犬の暴走を止められない。
「うん…でも、わたしたちにはこのトーナメントを見守るしかないわね」
ラッシーは、倒れているジェーンと駆けつけたセディを見下ろしていた。
「ああ…ジェーン…」
勝敗は平家の常とは言えあんなに元気なジェーンがこんな目に遭うだなんて…自分が代わりに闘うことができたらどれだけよかったかと思っていた。
「グルルル…」
セディの隣で伯爵の愛犬デューガルが唸り声を上げていた。
ラッシーは四足歩行の同類を無言で見下ろした。
「くぅ~ん…」
後退りし、耳を垂らしながらセディの背後に回り込みしゃがみこんでしまった。
『な、なんと!あのデューガルが怯えるとは!やはり、あの犬は化け物じゃ』
ドリンコート伯爵は、愛犬デューガルが怯える姿を初めて目の当たりにした。
シリアル
「コゼット選手、凄まじい気迫です!
コゼット選手は、名作劇場の中でも大人気作品である「ロミオの青い空」のロミオに勝利しております。名劇で一番壮絶な生い立ちを持つヒロインと言われている。そして、この美貌!名劇ヒロインとしては、やや歳上なため、マリア先生同様に男性人気は非常に高い!聖女と言われているが、ものすごい形相でベスの入場口を睨んでいる!ベスの入場はこれからなのに!気合十分だ!」
コゼットは両手を組み、ヴァンダレイ・シウバさながら両手首を動かしていた。
「青コーナー、エリザベス・マーチ選手の入場です!
一回戦では若草物語の同門対決となりました。「若草物語ナンとジョー先生」のヒロインの一人であるナンに完封勝利!同門と言えども、マーチ家の血筋とそうでない者との違いをまざまざと見せつけてくれました。マーチ家四姉妹の中で最強と言われているのはジョオことジョセフィン・マーチですが、「柔」の使い手であるベスの実力は、ジョオを超えているとも噂されています。
「剛」のジョオ、「柔」のベス。若草闘魂四姉妹の裏番長エリザベス・マーチだぁ!」
「ベス~!」
「頑張れ~!」
「可愛いぞお~!」
「放送当時からの大ファンです~!」
観客たちは、ベスの姿が表れるやいなや、大きな声援を送った。
「これはすごい!
コゼット選手に負けず劣らずの人気です!いや、はっきり言って完全に上回っています!病弱で引っ込み思案だった彼女が、まさかこのトーナメントに参加するとは思っていませんでしたから、ファンとしては歓喜の極みと言って良いでしょう。おおっと!ベス選手、ファンの声援に応えて投げキッスだぁ!劇中の彼女からは想像もできなかったファンサービス!あ!ファンが倒れました!あ、あちらも!そこも!嬉しくて失神してしまったファンは何人いることやら!解説のダンテさん、よろしくお願いします!」
「…」
「ダンテさん?ダンテさんも失神してしまいました!ダンテさん…起きてくださいよ!まったく…」
ベスは入場時は笑顔で声援に応えていたが、武舞台に上がるやいなや、その表情は引き締まり狩人の目をしていた。
「お嬢さん…随分な人気ね。18歳にもなっていない小娘の分際で大したものね」
「あなた…ロミオくんと戦う前に何と言ったの?」
「は?『胸を触ってみる?』って聞いただけよ」
「許せなかった…純情なロミオくんを、あなたはたぶらかした!中途半端なその中乳で!」
「中途半端な中乳ですって…?」
コゼットの額に青筋が走る。
ベスはロミオのファンだったのだ。アルフレドという男の子が女性から大人気だそうだが、ロミオの方が純情そうだし、何より侠気を感じていた。世界名作劇場の人気を令和の時代まで牽引してきた一人の漢だと思っている。そんな漢をかどわかすような女は絶対に許せない。
ローレンス翁は一回戦で見せたベスの容赦のない闘いぶりにも驚いたが、今回のベスの「挑発」にも驚かされた。
「ベス…強くなったのう。うちのピアノをこっそり弾いていた頃とは全くの別人じゃ。やりおるのう…」
『中乳か…確かに、自分の母親や姉のメグを見慣れていればそう見えても仕方があるまい』
ベスの父親は、娘の的確過ぎる表現に妙に納得していた。
「ええ、そうよ。その程度の中乳をぶら下げて偉そうに。これでもどうぞ」
そう言ってから、ベスはお菓子が入っていそうな箱をコゼットに向かって投げつけた。
コゼットは左手で受け止めた。食べかけのシリアルの箱だった。
『増体用シリアル…?これは確かトムが食べていたものと同じもの…』
「あなたにあげるわ、それ。うまくすれば、胸の方に栄養が行くかもよ」
『こんのガキ…』
コゼットは危うく口に出しそうになったが、怒りをぐっとこらえた。怒りを抑えつけるのは、小さい頃から訓練してきた。どんなに罵倒されても、ぶたれてもすぐに怒ったりしなかったではないか。
「ふっ…あんたのようなツルペタにこそぴったりじゃないの?お嬢さん。ありがたく頂いておくわ。後で返してなんて言っても返さないからね」
「私はあなたと違ってまだまだ伸びしろがあるのよ。くれてやるわ。そんなの」
ベスは強気のセリフを放ったが、心中穏やかではなかった。
『食べかけのシリアルだってのを突っ込まれなく良かったわ…実はエイミーと一緒にこっそり食べたのよね。大きくなるかなと思って。不味いから食べるのをやめたけど…やっぱり食べ続けた方が良かったのかな?いや…でも、ジョオやメグ、それにお母様を見れば、私は心配なさそうだし…エイミーは絶望的だけどね』
「始めえ!」
第一ラウンド
ゴングが鳴った!
斬る、蹴る!
両者とも派手な大技こそ出さないが、ひたすら斬り合う、蹴り合う展開が続いた。
「両者、凄まじい打ち合いです!肉を斬る音が聞こえる!骨を断つ音が聞こえる!心が折れる音が聞こえる!打ち合いを制する事ができるのは、心が強いものだけ!あ、ダンテさん、起きましたか?」
「あ、ベスがぶたれてる!頑張れ~!ベス!」
解説がただの応援団になってしまっている。
「ふっ…大した人気ね。あんたとはいい勝負ができそうだわ」
「へえ…いい勝負ねぇ。できると良いけど」
呼吸が乱れているコゼットに対し、ベスはダメージを負っているとは言え余裕の表情だ。ベスは心根が優しいので、先にある程度打たれてからでないと闘争心が湧いてこないのだ。特に格下と判断した相手には…。
「つ、強い…」
このままでは押し切られてしまう。
「ベス!いまだ!足元がお留守だ!」
ダンテはすでに解説者の用をなしていなかった。
強烈な足払い!
KO!
第二ラウンド
「絶対に許さないから!」
ベスのジャンプしてからの二連撃!
通常攻撃こそ美しい、通常攻撃こそ手応えを感じる!
武器の投げつけ、気功波の類はダメージこそ大きいものの、命中した際の手足を伝っての感触がないからだ。ロミオくんをかどわかした罪は重い。
「コゼットさん…あなたはロミオくんを誘惑したけれど、相手がロミオくんだったからこの程度で済んでいるのよ?」
『ええ…?この程度って…全力じゃないの?』
コゼットは一瞬怯えてしまった。まだ実力を隠しているのか?
ベスは「ロミオの青い空」の大ファンだった。その中でも4番目に好きなキャラがロミオだったのだ。
「そうよ。私が一番好きなのは、ダンテ君。次がミカエル君。アントニオ様、そして、ロミオくん…。主人公を支える純情な男の子たちよ。コゼットさん…あなたは罪深い」
「ベス選手、何か言っているようですが、こちらまでは聞こえません!コゼット選手のダメージは大きい!このまま終わってしまうのか?」
このままではまた負けてしまう。
ベスとの実力差はよくわかった…わかったけど、もう負けヒロインは嫌だ!
「うわああ~!!」
追い詰められていたコゼットは猛然とベスに襲いかかった。スティックでの連続攻撃の前に、ベスの体力が削り取られていく!
「ベス!気をつけなさい!お遊びは今すぐやめて!取り返しのつかないことになるわよ!」
母メアリーがさけぶ。コゼットは恐怖のあまり襲いかかっている、窮鼠猫を噛むの状態だ。このままではベスの喉元まで迫ってきてしまう。
「わかっています!お母様!」
ベスはコゼットの気迫に呑まれかけたが、見事に立て直した。
「ぬんっ!」
双刃刀一閃!コゼットを屠ったぁ~!
お見事!
ベス!
キャラクリ最高だ。
斜に構えての後ろ姿が特にカッコいいんだ。
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