閑話休題 みんなの応援

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妄想話になります。二次創作が嫌いない人は即ブラウザバックしてください。気分が悪くなると思うのでお気をつけください。

妄想話に付き合わなくても、下の動画はぜひ御覧ください。最大トーナメント決勝です!

スターリングがチャリかごにin!!!

マリア先生との闘いに勝利した2日後、アンジェレッタはトレーニングを開始していた。

午後、ロードワークを終え一休みしていると、アルフレドがやってきた。

「もう練習を始めたの?傷は大丈夫かい?」

「ええ、大丈夫よ。アルフレドの施術が良かったのね。お腹の痛みもすっかり消えたわ」

「それは良かった。柔軟やるんだろ?体をかすよ」

アルフレドはアンジェレッタと柔軟体操を始めた。体を引っ張り合ったり、背中合わせになりアンジェレッタの体を持ち上げる。

『しっかりはしているけどなんて軽い体なんだ…。体重差もありパワー型のマリア先生によく勝てたものだ』
アルフレドは改めてアンジェレッタの底力に感心した。

「ねえ、アルフレド。ナナミさんってとっても強いのね」

「確かにいい選手だね。でも、アンジェレッタは…」

「ナナミさんはポルフィにも勝ったし、アン先輩ですら相手にならなかったわ」

「…」

伝説級のヒロイン、カナディアンエンペラーと言われたアン・シャーリーすらものともせず、三千里を歩いた健脚ならぬ「渡世の狂脚」と言われたマルコをあっさり倒していしまった新進気鋭のポルフィですら、ナナミには敵わなかった。

圧倒的パワー。
闘気がセディやマリア先生とは違うのだ。強いというだけではない、得体の知れない何かを感じさせるオーラ。素早く畳み掛けるように攻撃するか、カウンターか。アンジェレッタは勝ちにつながるためのイメージをしてみたが、ぼんやりとしていて勝ち筋が見えない。アンがグロッキー状態にもかかわらず、ティコを召喚した時の容赦ない一撃は、アンジェレッタの記憶に深く刻まれている。

男の子であるアルフレドとスパーリングをしても不安は拭い去れなかった。
トーナメント前のトレーニングでは、追い込みが足りなかったから不安なのか?それとも、ナナミが予想を上回る強さだからか?だが、試合直前に追い込みすぎてしまうのは自殺行為だ。

とは言え、激しいトレーニングをしていないと気持ちが落ち着かない。

一通りのメニューを終えたときには、十分過ぎるほど疲労していた。どんな格闘技においても、疲れ切ってからスパーリングをすると良いという意見もある。

「久しぶりにやってみようかしら」

「何をするんだい?」

息も切れ切れで、筋肉も強張っている状態で一体何を?
アンジェレッタは両足を地面に踏ん張り、聞き取れない呪文のようなものを呟いている。

「な、なに!?アンジェレッタが分身したぁ!?」

もう一人のアンジェレッタ。いや、二人共実体だ。どちらが本物かわからない。ロッシ邸のベッドで寝ていた時のアンジェレッタが現れた。久しぶりに見る姿だ。ミラノで黒い兄弟達と煙突掃除の仕事をしていた思い出が湧き上がってきた。

2人のアンジェレッタによる激しい技の応酬。
致命傷を負いかねないほどの必死の攻防。アンジェレッタを制したのは…アンジェレッタだった。

闘いが終わると、アンジェレッタは一つになった。
どっちが勝ったかはわからない。ただ、ぐったりとしている。

「アンジェレッタ!」

アルフレドはすぐに駆け寄り、氷袋で肩のあたりを冷やした。

「ありがとう。大丈夫よ。アルフレド。ポカリ…」

ポカリを飲んだアンジェレッタは人心地ついたようだ。

「久しぶりにこの技を使ったわ…流石に試合で使って2対1で闘うのはちょっとね」

と言って笑ったが、アルフレドは慌てて首を振った。

「いやいやいやいや、普通に使って良いと思うよ!れっきとした技じゃないか!」

「こうやって自分を追い込まないと、ヘトヘトになるまで自分を追い込まないと、落ち着かないのよね。これって私がまだまだ未熟だからだと思うのよ」

「アンジェレッタ…大丈夫さ。未熟と言ったら、僕もそうだし、他の選手もそうだよ。僕たちまだまだ子供なんだからさ!アンジェレッタは絶対に勝てるよ。僕が保証する」

ありがとうと言って、アンジェレッタはアルフレドの肩に頭を乗せたときだった。がちゃっとトレーニングルームの扉が開け放たれた。

「やっほー!練習見に来たよ!アンジェレッタ!って…あら?お邪魔だったかしら?」

アニタとアンネットがやってきた。

「あら、アンネット。いらっしゃい!」

『くっ…!相変わらずものすごくまぶしい娘ね!会ったばかりだと直視できないわ。それにしてもラスボス感が半端ないわ』

アンネットはアンジェレッタを見慣れていないからか、彼女が放つオーラにいちいち反応してしまうのだ。

「アニタは…リング外で大活躍だね。しかも全部トム絡みで」

アルフレドはアニタの活躍に思わず笑ってしまった。こんなに強いのならトーナメントに参加すれば良いのにと。

「ええ。私、ああいう浮気男は絶対に許せないの。金髪碧眼の美少女を見ると、コロッと態度を変える奴が特にね。羽交い締めにした時、トムったら大暴れするから、肩が痛くなっちゃって」

アルフレドはアニタの後ろに周り、両肩を揉んであげた。

「やっぱりアルフレドは上手ね~。ピエモンテの名整体師!」

アニタはうっとりとした表情で、肩をもんでもらっていて本当に気持ちよさそうだ。

『何よ、アニタったら…あんなイケメンに肩を揉んでもらってニヤついちゃって…羨ましいじゃないの』

「あ~…私もトムとの闘いで首と肩と腰と肋骨が痛くなっちゃって~!!あああ~痛い(アルフレドに揉んでもらうんだ。イケメンに揉んでもらいたいっ)」

急に痛そうに背中を丸めてアピールするアンネットだが…見え透いていた。アピールが相変わらず下手だとアニタは呆れた。

「そんなに痛いの…?このへんかしら?」

「ひゃっ!」

背後から突然両脇腹を掴まれたかと思ったら、あばら骨をさすられた。

『はぁあぁ…!』

「え?痛かった?」

『くっ…なんて良い香りなの…天使がこんな近くに…!』

本当はどこも痛くないのだが、アルフレドにマッサージしてもらいたいがためについた嘘に、素直に反応したアンジェレッタに翻弄されてしまっている。

「すごい、顔が真っ赤じゃないの。本当に痛そう…」

「あぁ…りがとう、アンジェレッタ。大丈夫よ(早くルシエンのところに帰らなきゃ、アンジェレッタが美しすぎて違う世界に足を踏み入れてしまいそう…)」

アンネットが危うくへたり込みそうになった時、ノック音とともに扉が勢いよく開かれ、二人の男が入ってきた。赤毛で眼帯をつけたでっぷりした男、もうひとりは痩せてはいるが、高い運動能力を秘めていそうなことがはっきりとわかる佇まいの男だった。

「よう、アルフレド…マルティーニだったな?」

「君たちは…!?原作『黒い兄弟』の…」

「リナルドだ」

突然の訪問客に驚いた様子を見せるアニタの前に、リナルドが手を差し出した。
アニタは手をとった。ごっつい大きな手。

「リナルドね…何から何まで私の想像していた通り…じゃないっ!」

今度は小柄な男が挨拶した。

「俺はファウスティーノだ」

「ファウスティーノ?アニメだともっさりしている上に太っていて『ぶへへへ』とか言ってそうな男の子だったのに!シャープなイケメンになっている!」

アニタは感動のあまり一息に言ってしまった。
『ぶへへ』って言いそうなのは、むしろリナルドの方よね、ビジュアル的に…と、思ったが、これは口に出さなかった。

「驚くのも無理ないわ。原作と私達『ロミオの青い空』ではキャラ設定が随分違うからね」
アンジェレッタは原作「黒い兄弟」の本を見せると、アニタに物語の要点をざっくり話した。

「えぇ…私がめちゃくちゃ活躍している…アルフレド、そんなに早く死んじゃうの…?アンジェレッタが、私とロミオの恋を応援している…なんて尊いの!!!ありがとうアンジェレッタ!」

原作アンジェレッタの天使っぷりを御覧じろ! : 着の身気のまま
11月はアンジェレッタ降誕月。11月10日がアンジェレッタのお誕生日です。誕生月でなくてもアンジェレッタに偏った記事を書いていくつもりですが、誕生月は特に偏ることになると思います。さて。今回は原作のアンジェレッタ姫にスポットを当ててみたいと...

感動のあまりアニタはアンジェレッタを抱きしめた。

「どういたしまして。まあ、私じゃないんだけどね…」

「ところで、アンジェレッタにアルフレド、今日来たのは出陣前に声をかけたいと思ってね。ナナミって娘は確かに強いな。でも、アンジェレッタなら必ず勝てるぜ。君の素早さとテクニックであれば勝てる見込みは十分ある」

狼団一の腕っぷしと言われるファウスティーノからもらえた太鼓判。大いに自信がついた。

「頼むぜ、アンジェレッタ・モントバーニ。ロミ坊は負けちまったし、ロミオの青い空…だけじゃない、黒い兄弟の代表は君だからな」

「ありがとう。リナルド。ところで、ロミオは帰国したって聞いたけど、怪我の方は大丈夫かしら?」

「怪我の方は心配ない。すっかり治っているはずだし、帰国したらすぐに修行の旅に出るって言ってたよ。アクシデントがあったとはいえ、一回戦負けが相当こたえたらしい」

「修行の旅…」

ロミオは真っ直ぐで何事にも打ち込むんだけど、頑張り過ぎやしないかと心配になってしまう。

「ビアンカがいるのにねえ…旅先でまた可愛い子と出会っちゃうんでしょうけど」

アニタが複雑な表情を浮かべてチクリと言ったが、本音は心配でたまらない。ソノーニョで少しぐらいのんびりすればいいのに。

「君は?」

リナルドがアンネットの方を振り向いて言った。きれいなブロンドは人目を引く。田舎っぽい雰囲気だが美人だと思った。

「アンネットよ。世界名作劇場の「アルプス物語わたしのアンネット」のヒロインよ。主人公よ」

「そうなんだ。よろしくね」

ガッチリと握手。アニタから常々存在をアピールするように言われているので、ぎこちない宣伝文句のような言い方をしてしまう。

「君たち4人が応援に来てくれて本当に嬉しいよ。せっかくだから、みんなで一緒に食事でもどうだい?」

「賛成!」

アルフレドの提案にアニタがいの一番に手をあげた。リナルドもファウスティーノも乗り気だ。

『女の子3人、男の子3人…これって合コンじゃないの!アンジェレッタとアルフレド、アニタは多分ファウスティーノと話したがるでしょうし、ってことは私はリナルド!?どストライクのガッチリぽっちゃり系!』

3日後にBブロック決勝戦を控えたアンジェレッタは、友人たちと大いに食事を楽しんだ。

本戦はこちらだぜ!

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