妄想警報発令中ですので、二次創作が大嫌い、セーラとラビニアを心から愛し原作やアニメ以外のストーリー展開は絶対に受け入れられない!というお方は即ブラウザバックを!
決勝トーナメントがいよいよ始まる!
敗者となったセディ、ジェーンは今後の試合の展開にさしたる関心もなく…イチャイチャしていた!
動画だけはしっかり見てね!下の妄想話は気にするな!
女子会コース
第2試合終了当日。セーラとの戦いに完敗したとはいえ、持ち前の超回復能力でセーラから受けた傷もだいぶ良くなっていた。
「あなたのお部屋を見に来てやったわよ、セーラ」
「まあ、ラビニア!」
夕食を終えた頃、ラビニアがジェシーとガートルードを伴い、セーラのスイートルームをたずねてきた。セーラは笑顔で彼女たちを部屋に招じ入れた。さすがトーナメント選手が宿泊するホテルだ。広さも内装も申し分ない。セーラが持ち込んだと思われるぬいぐるみや人形がベッドや棚の上に置いてあった。
「ふん…、未だにぬいぐるみやら人形と一緒に寝ているんでしょう?」
「ええ、そうよ」
セーラは少し照れながら応えた。
『腹が立つわね…こういうところが可愛いのよ』
「ダイヤモンドプリンセスになったのに、スイートルームどまり?意外とせこいのね、節約志向かしら?ちなみに私はプレジデントルームよ」
言ってしまった…こんな嫌味を言うつもりは全くなかったのに。セーラの部屋はとても綺麗だ…それなのに、セーラと向かい合うとどうしても憎まれ口を聞いてしまう。また嫌われてしまったかもしれない。スイートルームだって広くて快適だ。急にたずねて来たにも関わらず、整然としている。自分はどうだろう?ハウスキーピング任せで上着も下着もそのへんに放りっぱなしだ。自分の衣類を畳んだこともない。
「スイートルームならベッキーとアーメンガードも泊まっているから、とっても楽しいわよ」
友達と一緒に泊まっているところも自分と違う。自分一人でプレジデントルームに泊まり、友達のジェシーとガートルードにはスタンダードルームに泊まらせている。トーナメント選手はエグゼクティブルーム、事前に届け出のあるセコンドについてはスタンダードルームの費用を大会側が負担しており、それ以上のグレードの部屋に宿泊する際の差額は自己負担となっている。自分だけ良い部屋に泊まって、ジェシーとガートルードはスタンダードのまま…せめてデラックスルームに泊まらせてあげれば良かったと後悔した。
セーラはラビニアたち3人のために、いそいそと紅茶の用意をし始めた。
「あなたはここの主人なんだから、そんなことはベッキーにでもさせなさいよ」
「あら、ベッキーは私の友達よ。一緒にお客様のおもてなしをするのも楽しいものよ」
誰に対しても分け隔てない態度。これだ。ミンチン女学院でも多くの生徒から慕われた人間としての器の広さ。セーラと自分との差は十分学んだはずなのに、セーラと早く話したいがためについついキツイ言い方になってしまう。彼女の前でお嬢様風を吹かすと、なんとなく気まずい。
「じゃあ、私も手伝うわよ」
言うやいないやラビニアは立ち上がった。
『あんた、お茶なんて自分で淹れたことないでしょうに…』
ガートルードはラビニアが家事一つできないことを知っていた。何でもかんでもセーラと張り合うとするところは変わっていないな…と少し呆れていた。
「結構よ。ラビニア、お客さんなんだから座っていてね」
ラビニアはすぐにソファに座り直した。台所にいったところで、お茶なんて淹れられない。セーラはそれを知りつつやんわりと断ったのだろう。
紅茶もお菓子も美味しい。
ガートルードは、夕食を食べ終えてまもないのに両手にお菓子を持って口の中に掻っ込んでいる。
ラビニアからは時折刺々しい言葉がこぼれたが、セーラと親しくなりたい気持ちが見え隠れてしているので、側にいたベッキーは大した不快感もなくにこやかに談笑していた。話題はトーナメントだけでなく、流行りの服の話、美容、他の名劇男子など…女子会らしい話題で盛り上がっていた。
フローネの兄フランツ、若草物語のローリーなどの名前があがった。
ジェシーはちょいワルなキャラが好きなようで、ダンやジョバンニの名前を上げていた。
甘ったれ
ステーキと一緒にぶどう酒を嗜むラビニアにとっては、ソフトドリンクや紅茶だけでは物足りない。アルコールを持ち込んでいた。
「セーラ、一緒に飲みましょうよ」
「駄目よ。ラビニアお酒なんて」
3日後、セーラはAブロックの決勝戦が控えている。なれないアルコールなど口にしたくないし、してはならない。
「だったら、あなたの分まで飲んで差し上げるわよ!」
ラビニアはセーラに酒を勧めるのをやめたはいいが、一人でグビグビと飲み始めた。
ガートルードとジェシーはラビニアに酒を呑ませてはまずいと思って止めたものの…セーラに酒に強いところを見せたかったのか、グラスに注いだぶどう酒をぐいっと飲み干した。
「ふふふ…なんともないわよ」
肉体年齢は18歳ほどになっているが、まだまだ子供。
「あちゃあ…」
ガートルードもジェシーもすでに諦めていた。ただでさえわがままなラビニアだ。酒を飲んでしまったらどうなることやら。彼女は酒に呑まれるタイプだ。
セーラの前だから興奮していたのか、酔いは一気に回った。普段のラビニアからは想像もできない…素直さや弱気な面を見せてくれた。
「ミンチン女学院にいた頃、代表生徒の座を奪われるのが怖かったの。セーラが怖かったのよ…」
「実際奪われちゃったしね。ぎしし…」
ガートルードが心無いセリフでラビニアを追い打つ。普段腹に含めていることでもあるのだろう。弱気になった姿を見て楽しそうだ。
「ごめんねぇ、セーラぁ…」
「い、良いのよ、ラビニア。もう私達お友達でしょう?」
ラビニアはセーラにしなだれかかり、セーラの胸で泣いた。
「あなたはどうしてそんなに優しいの?本当はこうしていたかったのよ…」
今度はセーラを強く抱きしめた。まさかの泣き上戸。
ラビニアの豹変ぶりが面白くてたまらなくなったのか、アーメンガードの長年くすぶり続けていた、いや、自分にそんな性格があるだなんて考えたこともなかった…意地悪な気持ちがムラムラと湧いてきた。そう、自分はこんなラビニアにいじめられ続けてきたのだ。セーラがやってくる前は自分がターゲットだった。
「ねえ、ラビニア、どうしてセーラのことをいじめていたのよ?代表生徒を奪われたことだけが理由じゃないでしょう?やたらとセーラに執着していたじゃないの」
「アーメンガードさん…」
普段のアーメンガードらしくない態度に、ベッキーは不安を感じ始めていた。いくらラビニアがぐてんぐてんに酔っ払ったからと言って、強気な絡み方をすると仕返しされるのではないかと。
「よくぞ聞いてくれたわ!アーメンガード!」
返答に困るラビニアを見たかったのに、意外な反応に驚いた。
「セーラのことが大好きだからよ!」
ラビニアはしなだれかかり、セーラの頬にキスをした。
「ギャハハ!女同士なのに!」
ジェシーとガートルードも酔いが回っているのか、ラビニアの様子を見て腹を抱えて笑っていた。
「ラビニア、ちょっと飲みすぎよ!ジェシーにガートルードも!」
セーラは頬を赤く染めながら、3人に注意をしたがラビニアはセーラに抱きついたまま離れようとしない。
「大好きよぉ…セーラ…」
まだ泣いている。ジェシーもガートルードも酔いが回ってきて眠いのか、ラビニアの醜態を見飽きたのか、「おやすみなさい」と言って部屋を出ていった。
「さあ、ラビニアさんもそろそろご自分のお部屋に戻りましょ」
ベッキーはラビニアに声をかけたが、セーラにしがみついて離れない。
「私は帰らないわ!ここでセーラと一緒にいるの!セーラと一緒に寝るの!」
アーメンガードとベッキーは顔を見合わせたが、今まで散々威張り散らしていたラビニアが駄々っ子のようにセーラに甘えている。豹変ぶりが怖い…酒の力なのか…?セーラ、ベッキー、アーメンガードの3人はもちろん一滴もお酒を飲んでいない。
「良いわよ、ベッキー、アーメンガード。ラビニアをこの部屋に泊まらせてあげましょう」
「さすがセーラちゃん!一緒に寝ましょうね!」
「うわあ…」
アーメンガードは呆れ果てていた。これが…私たちをいじめていたラビニアだったのかと。
ラビニアはおもむろにセーラのワンピースの袖をまくり上げた。真っ白い腕があらわになった。
「こんなに細くてきれいな腕なのに、闘いとなると凶器に変わるのよね…」
アーメンガードはラビニアが腕をさすり、頬ずりする姿をまともに見ることができない。
『何なのよ…ラビニア…抱きついたり、キスしたり、セーラの服を脱がそうとしたり』
お酒を飲んでいないのに顔が真っ赤になっている。ずっと見ていたいけど、続きが気になるけど、体の火照りだけはなんとかしなければならない。
「ちょっと夜風に当たってくるわ」
と言ってアーメンガードはベランダに出ていった。
『ラビニア…あなたは私よりも年上だけど、きっととても寂しがり屋なのね。ミンチン女学院に居た時はいつも強気に振る舞っていたけど、お父さんやお母さんから十分な愛情を受けていなかったのかしら?』
セーラが知らない彼女の生い立ちに思いを巡らせていると、
「えいっ!」
ラビニアはセーラを担ぎ上げたかと思ったら、キングサイズのベッドに投げ飛ばした。
「プロレスごっこしましょう、セーラ!」
酔っているが、動きは機敏だ。あっという間にベッドに飛び移りセーラを持ち上げボディスラムでフカフカのベッドに叩きつける。
「ほら、セーラも早く何か技をかけなさいよ」
セーラはラビニアの背後に周り腰のあたりを抱きしめた。
「ふふふ…セーラった・・・ら!?」
見事なアーチを描くジャーマン・スープレックス。鋭い角度だ。
「げふっ!?」
フカフカしたベッドの上なのでほとんどダメージはないが、ラビニアは笑顔のまま気を失っていた。
「ふう…ようやく静かになったわね。さあ、ベッキーもう寝ましょうか。ラビニアはここで寝かせておきましょう。私も流石に疲れちゃったわ」
セーラとベッキーが部屋の片付けを終えると、ラビニアは目を覚ましていた。酒はまだ抜けておらず、自分の部屋に戻るつもりは全く無くセーラに絡み始めた。
「早く寝ましょうよ、セーラ」
シラフでも人の言うことは聞かないのに、酔っているラビニアには尚更だ。セーラは一緒に眠ることにした。
二代目ロッティ
「おやすみなさい。ベッキー、アーメンガード」
アーメンガード、ベッキーは自室に戻りそれぞれ眠りにつこうとしたが、アーメンガードは2人が気になって仕方がない。ベッキーはすぐに眠りに落ちたようだが…。
「ラビニア!」
セーラの少し困ったような大きな声。
それにラビニアの笑い声と…セーラの笑いも聞こえる…。一体何が起きているのだろう?アーメンガードのもっさりとした頭では全く見当がつかない。ただ、二人の声を聞いていると本能が疼いてしまう。ギッ…ギッ…リズミカルにきしむ、セーラのキングサイズベッドの音。セーラとラビニアの嬌声…!
さすがスイートルーム、防音効果は抜群で小さな声はほとんど聞こえない。いくらアーメンガードが勉強ができないと言っても、厳格な父に育てられた彼女はマナーをしっかりと心得ている。気になるけど、覗き見なんてはしたない。30分くらいモヤモヤした気持ちで布団にくるまっていたが、セーラとラビニアの声が聞こえなくなった。おそらく二人共眠ったのだろう。
「ねえ、セーラ。ムギューってしてよ」
キングサイズベッドをトランポリン代わりにして、遊び疲れたラビニアがセーラに抱きつきそのままベッドに横たわった。セーラは、ベッドをトランポリン代わりにしたことがなかったので、ラビニアと一緒に息が切れるまではしゃいでしまった。
セーラに抱きつくと子供のようにセーラに甘え始めた。
セーラはすぐにラビニアの頭を自分の胸に抱いてくれた。優しくラビニアの頭をひとなでする。
「セーラって、なんだかお母さんみたいね」
ラビニアはあどけない表情を浮かべて囁いた。ラビニアの母は彼女を甘やかすことはしていたが、甘えさせることはめったになかった。欲しい物は何でも買ってくれたが、メイドや乳母に子育てを丸投げしていたし、社交界での活動も忙しかった。母はラビニアのことを好きであったが、子育てよりも自分の趣味や享楽を優先してしまう人だった。生まれながらにとびっきりの甘えん坊だったラビニアは、もっともっと両親と一緒にいたかったし、メイドや乳母よりも母と時間を過ごしていたかった。
アメリカやイギリスで見かける貧しい家庭の子供達は、生活こそ厳しいけれどいつも親と一緒にいた。怒鳴られたり打たれたりしていたけど、それでも羨ましいと思っていた。
セーラは幼い頃に母親を亡くし、ミンチン女学院入学後まもなく父親を亡くした。天涯孤独になりながらも、奴隷のような環境下、メイドとしてのいや、それ以上に過酷な労働をやり遂げた。そんな彼女を自分は容赦なく…ありとあらゆる手段を使っていじめていたのだ。恥ずかしい話だ。思い出すと顔向けできなくなる。
しかし、ダイヤモンドプリンセスとなった今、私のすべてを許し「友達」として接してくれている。ラビニアは心地よい眠りに落ちていった。
翌朝、ラビニアは目を覚ますと自分の姿に驚いた。下着姿でセーラと一緒に眠っていた!セーラはちゃんとパジャマを着ているのに…。私は下着姿、なぜだ?
昨晩、お酒に酔ってしまったことを思い出した。飛び跳ねているうちに熱くなって脱いだのだろう。
その後、セーラと一緒に寝たんだった!まるで…そう、ロッティみたいに甘えながら寝てしまったんだ!今すぐ自分の部屋に戻らないと!
自分が着てきたワンピースを着込み、部屋を出ようとした時、セーラの寝顔が目に止まった。
『きれい…』
本当に綺麗だ。彼女がメイド服を着、自分は美しい服を着ていたときのことを思い出した。自分の誕生日にドレスの着付けをセーラに頼んだ時、セーラと自分の姿が鏡に映り込んだが、セーラの方が美しいと感じ嫉妬心が湧き上がった。でも、今は違う。セーラのことを素直に美しいと思えるようになった。内面の美しさが顔から体から溢れ出ている。
ラビニアはセーラの美しい寝顔に惹きつけられるように、顔を近づけていた。セーラの息遣いが聞こえる。こんな娘をいじめていたなんて…好きという気持ちの裏返しだったのかも知れない。
「セーラ…おはよう…」
慌ててセーラから離れ、声のした方を見ると、アーメンガードが自室から出てきた。
「あ、ラビニアおはよう…。昨日は楽しかっ…」
「アーメンガード、セーラが起きたら伝えておいてちょうだい。これから練習相手になってあげるし、次の試合から私もセコンドに付くからって」
「えっ…あ…」
「それじゃあ、失礼するわ。昨日はどうもありがとう」
ラビニアはアーメンガードの応えを待たずに部屋を出ていった。
『私を倒したセーラが、3回戦ごときで負けてはならない。絶対に優勝してもらうんだ』
二日酔いも感じなかった。むしろ、こんな清々しい気分で朝を迎えたのは初めてだった。
動画を視ようぜ!
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