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でも、動画は見なさい!
幻魔!エリザベス・マーチ!
小さいマリア戦を終えたベスは、控室に戻ったあと、両親とローレンス翁と別れホテルの自室に向かっていた。
『あ~お腹が空いたわ。試合の後はやっぱりお肉が食べたくなる。どうしてこんなにお腹が空くのだろう?試合前に卵かけご飯しか食べなかったからかな?』
このあとお父様とお母様、それにローレンスさんと一緒に食事だ。何を注文しようかと考えながら、選手通用口を急いでいた。
「あら?ベッキー?」
「ベスさん!」
ベッキー、ラビニア、セーラ、ピーターは準決勝を観戦し終え、ラビニアとベッキーはセーラの控室に向かっている途中だった。セーラとピーターは「用がある」そうなので、先にホテルに帰ってしまっていた。
「ベスさん。決勝進出おめでとうございます」
「ありがとう。ベッキー。セーラは本当に強い子よね…でも」
「でも、何よ?」
ベスが話を終える前にラビニアが割り込んだ。先程、ベスの圧倒的な強さを目の当たりにしたが、もし自分がセーラに勝っていたらベスと対戦していたのは自分だったと思うと、まるで自分が決勝に進んだ気分になってしまう。
「私がセーラに勝っていたら、あなたと決勝を争っていたかもしれないわね。ベスさん」
「あなたには無理よ…。ところでベッキー。最近料理に凝っているらしいじゃない。今度得意のミートパイを作ってよ。エイミーから聞いたのよ」
ベスは、ラビニアの台詞などお構いなしにベッキーとの世間話を続けようとしている。ベスは小公女セーラも視聴済みだ。「地獄の釜」と言われたミンチン女学院の厨房で、常にセーラを守ってきたベッキーが大好きだった。ベッキーファンと言っても良い。
「そうですね。今度ベスさんにもとびきり美味しいのを作って差し上げたいです!」
「本当!楽しみにしているわ!最近食欲がとまらないのよね…」
屈託のない笑顔。横でラビニアが喚いていても、全く意に介さない。
「いい加減にしなさいよ!私には無理ってどういう意味よ!?」
ベスが素早い動きでラビニアの口を右手でふさいだ。
「ぶっ!?」
「ラビニアさん…随分とセーラとベッキーを虐めてくれたわね…。私、ネチネチした虐めって大っきらいなの」
『は、はずれない…!声をあげることもできない!』
両手で必死になってベスの右手を外そうとするが、びくともしない。顎をものすごい握力で締め上げられ、顎関節と奥歯がきしむ音が聞こえる。
パキパキ…。
『奥歯が!』
奥歯が数本抜けてしまったようだ。続いて顎関節も締め上げられる…、血の味が一気に口の中に広がる。
『や、やめて…やめてくださいっ!』
叫ぼうとしたが全く声が出ない。これがベスのパワーなのか?桁外れだ。
グシャァ!
ザクロのように顎が砕け散った…!ラビニア粉砕!顔の半分が無くなってしまった…。
「ベスさん、もうやめてください!」
ベッキーの制止の声が聞こえる。あれほどの激しい痛みが嘘のように消えている。ラビニアは慌てて自分の顎、頬を触ってみたが、全く痛みもなく奥歯も抜けていないし顎も無事だ。
「はあはあ…あ、顎…奥歯…」
何度も何度も自分のあごあたりをさすっていた。
「どうされました!?ラビニアさん!ラビニアさん!落ち着いてくださいまし!」
顔面蒼白のラビニア、これほどの恐怖を味わったのは始めてだ。幻覚…だったのか!?
「ラビニアさん。トイレはそこよ」
親指でベスは自分の背後を指した。
『温かい…』
股間が温かい。ベッキーは気づいてないようだ。馬鹿な…私が…ミンチン女学院の代表生徒だった私が…何たる屈辱!ラビニアは急いでトイレへ向かった。
「ラビニアさん!どちらへ!?」
ベッキーは大慌てでラビニアを追おうとした時だった。
「ベッキー…あなたも芝居がうまいわね。気づいているでしょ?私が何をしたか?」
「ええ…わかっています。幻覚を見せる『幻魔』ですよね」
ラビニアが術中に陥っていたこと、トイレに行かざるを得ない状況だとベッキーが知ってしまったら、プライドの高いラビニアは怒り狂ってしまうだろう。だから気づいていないふりをしていた。セーラに合わせる顔もなくなってしまうだろう。せっかく仲良くなれたのに…バラバラになるのは嫌だ。
「セーラに勝ったら…あなたとも立ち会ってみたいわ。ベッキー」
「確かにラビニアさんは酷いいじめっ子でしたが…今のはやりすぎです」
ベッキーから立ち上る青い炎が見えた。闘気の大きさだけなら立派なものだ。しかし、こんなところでベッキーと立ち会いたくはない。
「そうね…ちょっとやり過ぎたわ。ごめんなさい。」
数多くのファンを魅了してきた、ベスの笑顔。こんな儚げな美人が…桁違いの強さをトーナメントで見せつけている。
「え、ええ…」
「そうそう、私のことはベスさんじゃなくて『ベス』って呼んでね!じゃあ、セーラによろしく!ミートパイも忘れないでね~!」
ベスは笑顔でそう言いながら去っていった。
メイド服と馬小屋
セーラはメイド服を着て、ホテルの敷地内にある馬小屋にいた。
つい先程まで、ピーターとデートをし食事を済ませてきたばかりだ。なぜメイド服を着たのか。いつものお嬢様然とした服装では、ピーターが緊張気味であることに気づいたからだ。メイド服を着た私を見た時のピーターの顔と言ったら…。驚いていたけれど、「ピーターがこの方が好きかな?と思って」と伝えたら、案の定だった。
「お嬢様は何でもお似合いなのに…!でも、メイド服は安心すると言うか…親しみを感じます!」と言っていた。
準決勝を終えたばかりで、気持ちが非常に昂ぶっていた。そんな時近くにピーターがいるのと居ないのとでは大違いだった。心ゆくまでデートを楽しめた。
今、一人で馬小屋で瞑想にふけっているのは、来るべきエリザベス・マーチとの決勝戦に備えるためだ。かつて、ミンチンから屋根裏部屋に住むことも許されず、馬小屋で寝起きするよう命じられた日々。服に染み付いた馬糞の匂い。寒さと飢えに震えながら眠った日々。空腹だと寒さが余計に染み渡る。今はダイヤモンド・プリンセスと呼ばれ、馬小屋生活などとは無縁の暮らしを送っている。トレーニングをして強くはなったが、今考えれば常に死と隣合わせであったメイド時代の日々…あの頃の精神力、覚悟が希薄になっている気がしていたのだ。
隙間風が入ってくる。寒い。
この程度で寒いと感じていては駄目だ。あの頃のロンドンはもっと寒かった。
『たるんでしまったわね…』
セーラが反省していると、今度は一段と大きな風が吹き込んできた。
誰かが馬小屋の扉を開けたのだろう。警備員か?
「お嬢様…」
「ベッキー!?」
セーラの瞑想はベッキーにより中断させられた。
「お嬢様。やはりここでしたか」
セーラは馬小屋で瞑想していたことを伝えると、ベッキーは感心した。
「そうでしたか…さすがお嬢様。でも、瞑想のお邪魔をしてしまいすみませんでした」
「いいのよ。ベッキー」
決勝の相手であるエリザベス・マーチ戦。ここまでお嬢様が気を引き締めているところを見たのは初めてだ。確かに…ベスは今までの相手とは一味違う。準決勝を終えた直後に起こったことをセーラに伝えようとすると。
「ラビニアから聞いたわ。ベスさんにひどい目に遭わされたって。あんな辱めは生まれて初めてだと」
「ははぁ…」
ベスに幻覚を見せられた後、ラビニアはセーラの部屋に行き、何が起こったのかを話し泣きついた。セーラはラビニアの頭を抱えながら話を聞いていた。
『それでね。とっても怖かったのぉ。こんなことを話せるのはあなただけよ、セーラ』
『そう、とっても怖かったのね。よしよし…』
セーラがラビニアの頭を何度も優しく撫でてあげると落ち着いた。
「多分、絡みに行ったのはラビニアだと思うけどね。それでも、ラビニア相手に幻魔を見せるだなんていたずらが過ぎるわね。いたずらするにも相手をちょっと恥ずかしがらせたり、悦ばせたりする程度が良いのにね」
ナナミVS小さいマリア
「胸のサイズなんて不要!愛さえあればどうにでもなるんです!」
「そうでしょそうでしょ!」
胸の大きさへの価値観について、2人は相通じるものがあった。
「あなたとは…細かいことを考えずに思い切り闘うことができそうです」
「わたしもよ。うだうだ話をしながら闘うのは好きじゃない」
心置きなく小細工なし、不必要な挑発無しで闘いたい。ナナミもおそらくそんなタイプだろう。小さいマリアは、準決勝でエリザベス・マーチにうんちくを垂らされたながら闘ったが、こんな闘いは好きではない。闘いに集中したいのだ。それにしても…エリザベス・マーチは毎度毎度対戦相手を説教していたような気がする。
開始直後にいきなり大剣をぶん回してきた。読んでいた。胸に仕込み傘を一突き。もう一突き。ナナミも右ストレート、強引な薙ぎ払いで応戦。マリアもケンカキックを見舞う。こんな闘いが良いんだ。
『この娘、お上品な雰囲気な割にはゴリゴリ押してくるじゃない!良いわ…思い切り戦える!』
2人の戦闘スタイルの相性は抜群だった。大剣で思い切り小さいマリアの顔面をひっぱたく!
「気持てぃぃ~!!」
ここからは小さいマリアは一切手出しをできず、モーションの大きい技をひたすらくらい続けKO!
「本気出す!」
背後に回り込み、ナナミの背中へ仕込み傘をひと刺し!倒れこんだところを傘の先端を差し込む!
『痛っっっ~~~~!!』
第一ラウンドの終わりと違ってキレがある。マリアも乗ってきた。
何度もナナミの背中を狙う。確実に勝利を手にするためのピンポイント攻撃。情けも容赦もない!
「闘う精密機械っっ!お姫様が冷酷冷血冷徹に徹している!!!」
実況も驚くほどの豹変ぶり。3位決定戦に勝利し、100年の歴史を知らしめなければならない。
HPの3分の1をあっという間に削り、倒れたナナミへの執拗な追撃。立ち上がったナナミへまたしても背中、首筋への斬撃を食らわせる。
「ナナミ~!!!」
SRS席のアンジェレッタが思わず叫んだ。あれだけの切り刻まれ、突かれているのに、まだ立ち上がる姿を見て血の気が引いていた。気を失いかけそうになったが、なんとか頑張って闘いを見守っている。
「ぐっ…!」
前のめりに倒れ込んだナナミ。
「ぐわああああ~!!」
ナナミもついに反撃に転じた!大剣をブンブンぶん回し、背後の岩盤へとナナミを追い込む。防がれてもお構いなしに叩きつけ、ついにマリアのガードも下がってきた。
会場からはマリアコールとナナミコールが入り乱れている。マリアの正確無比ながらも華麗さのあふれるファイトスタイルに場内総立ち。ナナミファンたちはナナミの粘り強さに感動し、失神している者すらいた。
「調子に乗らないでください!!」
傘でナナミの体を突き飛ばす!
立っているだけでもやっとのハズ。アンジェレッタは…わかっていなかった。ナナミの限界を超えた強さを…!
ナナミを打ち上げたぁ~!
「ナイッショー!!」
実況が叫ぶ!これが起死回生の一撃となるか。
「蹴りをつけてやる!」
蹴り!!
小さいマリアの喉元に突き刺さったぁ!!
「勝者、ナナミ・シンプソン!!」
ナナミはコールを受けた後、倒れている小さいマリアのそばにへたり込んだ。
「楽しかったわ…小さいマリア。私が負けててもおかしくなかった。本当よ」
「……!」
「そっか…喉を潰しちゃったから声がでないか…。ごめんなさいね。でも、すぐに治るから」
ナナミはマリアに肩を貸し、マリアの左腕を取りたかだかと上げた。
「負けて2位よりも、勝って3位になったほうが嬉しいって言うしね!やったー!」
あっけらかんとした素直なマイクアピールに、場内も思わずほっこり。ナナミコールが再び女内を包んだ。
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