世界名作劇場最大トーナメント Aブロック二回戦第二試合 セーラVSラビニア

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キャラ崩壊あります。暴力的な描写もあります。二次創作、三次創作に嫌悪感を感じる方は、ブラウザバックしてください!

二回戦第一試合が行われた。

世界名作劇場最大トーナメント2回戦が始まる3日前。
一回戦負けを喫したアンネットは、未だに高級ホテルに滞在していた。トーナメント期間中は、自己負担なしで滞在するということがわかったからだ。

一回戦で敗れた後、荷造りをしていると、アニタが飛び込んできて「トーナメントが終わるまで、宿泊できるから、最後まで見届けましょう」と言ってきた。ホテルの朝食、夕食のバイキングは捨てがたい。試合に負けてからは、食っちゃ寝食っちゃ寝の日々だ。おかげで、このままではトムのことを言えなくらい太ってしまうだろう。だが、それでもかまわないどころか、農村ではふくよかな女性ほどモテるのだ。

キングサイズのベッドで一緒に寝ているアニタを起こし、朝食会場へと向かう。

「あれは…?」

朝食会場の一角が『予約スペース』と立て札が掲げてあり、10人くらいでパーティーができそうなスペースだ。

「朝食で予約席ってどういうことよ?」

アニタはムッとした様子で、アンネットに話しかけた。朝食は人の出入りが多いし、これだけスペースを取られてしまうと、他の宿泊客にも影響がでる。

「きっとお金持ちの仕業よ」

「それにしても、ものすごい肉の量ね…。分厚いステーキが何十枚も。それに、大量の赤ワイン」

2人は朝食を摂り始めた。朝食からパーティーってどんな胃袋よ?朝からガツガツ食べる人なんて、そんなのめったにないわよ。羊肉と臓物の入ったスープ4杯目に突入しているアンネットは呟いた。

「おはようございます!お嬢様!」

黒服の男たち数人に囲まれた「お嬢様たち」がやってきた。

席について、真っ先にステーキにかぶりついたのは、タンクトップ一枚姿のお嬢様。
他の2人の「お嬢様らしき人たち」は、スープと前菜を口にし始めた。

「あの女…確かラザニアだかザビニアじゃない?」

「ラビニアよ。アンネット。あの娘、2回戦でセーラと闘うんでしょ?勝つのはセーラでしょうけどね」

ラビニアは極厚のステーキ1枚をあっと言う間に平らげた。
血の滴るミディアムレア。ステーキの皿は次々と持ち込まれる。

「ラビニア様は傷を負ったようだな 怪我をされたときはいつもそうだ」

ウエイターたちのコソコソ話が、アンネットとアニタの耳に入った。

「ガートルードさん、さすがに朝から大量のステーキは体に毒ではないのかな?」

「デュファルジュ先生、あなたはご存知ない。ラビニアの特異体質を…栄養士である私が保証する。ステーキと赤ワインの大量摂取は、ラビニアの傷の回復を早めるのです」

すでに5枚目を平らげていた。

『モニュ…ナポ…』

唇の端から、肉汁がたれてくるとすかさず黒服が口を拭う。
一回戦のルーシーメイとの闘いの傷を癒やしているのだ。確かに圧勝と言って良いほどの闘いぶりであったが、流石は名劇主人公の一人である。超回復能力を持ったラビニアでさえも、自然治癒力だけでは、セーラの闘いには間に合わなかった。

「セーラとの闘いでは…僅かなかすり傷でも死に直結するのですよ。デュファルジュ先生」

「ははぁ…」

デュファルジュ先生は冷や汗を拭いながら、ジェシーの言葉に耳を傾ける。

「メニューはステーキに統一されます。肉とワイン……それだけ食し傷をふさぎ、快復させる…」

『モニュ、モニュ…ハム…』

「おお!傷が塞がっていく…傷跡も消えていく!」

「まるでトカゲだな・・・」

何十キロの牛肉ステーキを平らげたのだろう。肉と肉の合間に赤ワインを流し込む。

「ラビニア、もう適量よ」

「ぎえぇぇぇぇぇえぇふぅぅぅ~!!」

ラビニアは特大のゲップをかましたあと、デザートのメロンにかぶりついた。

セーラ・クルーVSラビニア・ハーバード

ペリーヌがあらいぐまに負けたらしい。だが、そんなことはラビニアは一切気にしなかった。

試合前にジェシーに施術をしてもらい、関節、筋肉ともに万全だと言ってくれた。

「肌艶も良い。頑張って!ラビニア」

ガートルード、ジェシーに太鼓判を押され、堂々の入場だ。

「ラビニア選手の入場です!」

会場からは割れんばかりの拍手!

「『私は大統領夫人になる!』そう宣言した成金娘。その野心はミンチン学院ナンバーワンだ!美貌は…?それは聞くな!対戦相手が最強選手の一人セーラだからといって、これっぽっちも怯んでいない!むしろ望むところだと!いつか必ず戦ってみたい、できれば大舞台で闘いたい!その願いが叶ったんだ!強いものが勝つのではなく、勝ったものが強いのだ!一回戦では、ヒロインのルーシーメイを屠り大番狂わせを見せてくれた。トドメの首関節技がこの闘いでも見られるのか?武舞台15m四方のドメスティック・バイオレンス、ラビニア・ハーバード!!」

「青コーナーより、セーラ選手の入場です!あえて彼女の経歴を言う必要はないでしょう。日本全国、いや全世界で知られている彼女の生き様。ミンチン女学院メイド時代は、ミンチン院長、台所番、ラビニアらに散々煮え湯を飲まされてきた。命を落としそうになったのは、1度や2度ではない!その度に救いの手を差し伸べてくれたのが、盟友ベッキー!セコンド陣をベッキー、アーメンガードが固めている。
セーラは、自分に対する仕打ちをすべて許した。すべて水に流した。聖少女とは彼女のためにある!しかし、地獄の日々を忘れたわけではない。自分が成長するための糧であるからだ。ラビニアよ、お前にセーラと同じ試練をくぐり抜けることができるのか!?やれんのかっ!?世界名作劇場女塾塾長、セーラ・クルー!!」

「解説にはニキータ(ロミオの青い空)さんに来ていただいております。ニキータさんも、喧嘩百戦錬磨。男の子相手でも、一歩も引かずにぶちのめしたからね。名解説を期待しますよ!」

「え、ええ…(アルフレドも見ているから、そんなこといわないでよ…)」

「それにしてもこのカード!!セーラVSラビニアは世紀の一戦!本来であれば、大晦日のスペシャルワンマッチでしか見られない豪華なカードです!それが、嬉しいことなのか、残念なことなのか、トーナメントの2回戦で見られるわけです。そして、そこがトーナメントの残酷なところなんですよね。強豪同士が、山の低いところで当たってしまう」

ゴングが鳴ったぁ!

「まあ!誰かと思ったらセーラさんじゃないの!(略)あ~わかったわ!お掃除に来たのね!」

「そうよ~❤本気であなたをお掃除に来たの!!」

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駄目だぁ!腹筋崩壊の台詞まわし!
すごいセンスだよ!監督ぅ!

始めぇ!!

「セーラがいきなり突撃したぁ!
これは意外。ラビニアが敵意をむき出しにして襲いかかるかと思いきや、ダイヤモンド・プリンセスからの洗礼だぁ!」

舐めるんじゃない、ラビニア!と言わんばかりのセーラの突撃。

倒れたところに、さらに後頭部への一撃を見舞う!
ラビニア、あっと言う間にゲージ3分の1を持っていかれた!強い!これがプリンセスの力なのかっ!?

セーラは一切容赦しない!
斧での斬撃、突きの連続技で追い込む!

「ラビニア!気負いすぎよ!相手の動きをよく見て!捉えられない相手じゃないはずよ!」

セコンドのガートルードが叫ぶ。

『そうね。落ち着いて対処すれば問題ない。まさかセーラが開幕から突撃してくるとは思わなかったから面食らっただけよ』

「ふー…」

深く深呼吸。

セーラの流れるような攻撃にも隙はある。
攻撃に入る僅かな一瞬だった。

「隙あり!」

セーラの足元から斬り上げる。セーラには盲点だった。不意打ちにも等しい斬撃に、体も宙に打ち上げられてしまった。

「合わせぃ!ラビニア!」

ジェシーが喝采。

「おう!」

落下してきたところを、バックラーで更に叩き上げる!
ラビニアも舞上がり、横からの薙ぎ払い、上段から叩き斬る、十文字斬りが炸裂した!

「起きなさいよ!」

さっきのお返しだと言わんばかりに、倒れたセーラにサッカーボールキックだ!

セーラのゲージが3分の1も減った!

「ニキータさん、何か喋ってもらわないと…」

「私がラビニアだったらぁ、タックル行ってぇ、倒してぇ、上からボコボコぉ」

セーラはすっくと起き上がり、ラビニアをひと睨みした。

「セ、セーラ!すごい顔をしている…」

セコンドのアーメンガードは、こんなに怖い顔をしたセーラを見るのは初めてだった。

「あらあら、ラビニアさん、お嬢様をちょっと怒らせてしまいましたねえ。まあ、それだけラビニアさんも腕をあげたということでございましょうねぇ…」

アーメンガードは楽しそうに笑うベッキーを見て、背筋が寒くなった。「セーラもベッキーも…どれだけ強いの…?」

セーラの大反撃。
一切手を止めない。ラビニアが動けなくなるまで攻撃の手を緩めることはなかったんだ。

KO!!

第二ラウンド

過呼吸を起こしているのでは?と、思われるほど、ラビニアの呼吸は乱れていた。
額からは滝のような汗が流れているし、自慢のドレスも汗でぐっしょりと体にへばりついている。

『ラビニアがここまで疲弊するなんて…』

ただ、勝機はありそうだ。セーラは素早く変則的な攻撃が多いが、慌てずガードを固めて、技に入る瞬間を狙う。ありきたりの闘い方だが、実力で上回るセーラ相手なのだから、基本に忠実に、あとは気持ちで勝つしか無い。

ガートルードはひたすらラビニアを鼓舞した。
セーラよりも優れているところ、これまでどれだけ厳しいトレーニングをしてきたのか、ラビニアの長所をあげた。ラビニアに自信を持たせることが肝心だ。自信過剰くらいが、彼女にはちょうどよい。その時が彼女の本領発揮のときだ。

「今のあなたならセーラにも勝てる!優勝も狙えるわ!」

「当然よ!」

はじめえ!

ラビニア「セーラ!謝りなさい!」
セーラ「無ぅ理ぃ~!」

ジェシー、ガートルードの声に答え、第二ラウンド序盤から飛ばし始めた。

自慢のレイピアとバックラーを振り回し、セーラも防戦一方!防がれてもいい、とにかく止まっては行けない。止まったら、セーラの猛烈なラッシュの餌食となってしまう。

が、ラビニアの好きにさせるセーラではなかった。

オーラによる斬撃だけではない!徒手空拳も強いのだ!

セーラのハイキック、斬撃、グラウンドでの追撃により、3分の1以上の体力を削られてしまった。

サンドバックと化してしまうかと思ったが、ラビニアは黙っていない。右の頬を打たれたら、右の頬を打ち返していく!

セーラが攻撃に移る一瞬を狙いすまし、剣を横一文字に切り払った!

当たった!

更に襟首を掴んで、首関節に持っていこうとしたが、セーラはギリギリでこれを阻止!技には入れなかったものの、わずかなダメージを与えることができた。

ここで首関節を決めていれば…!

襟というよりも、首周辺のセーラのお肉を掴んだものと思われる。

それでも、ラビニアの動きは止まらない。剣で上段の攻撃をし、足元がお留守になったところに、強烈なローキック!思わず転倒するセーラ。

セーラも2発程返すが、ラビニアに切り返される。ラビニアの四肢には乳酸がたまり、痙攣し始めている。セーラを倒すには、休んではならない。この勢いを殺してはいけない。

突き、バックラーでの打撃を組み合わせ、更にケンカキックをお見舞い!

「セーラ!!」

アーメンガードは、もうすでに泣いていた。もし、ここにロッティが居たら…失神してしまうだろう…。

「アーメンガードさん、よく見てください。お嬢様のお顔を。もうすぐでございますよ。このラウンドが終わるのは」

ベッキーは相変わらずの笑顔だ。

『ラビニア…とっても強くなったわね。あなたとはもう少し闘いたいけれど、もし、このラウンドをあなたにあげてしまったら…最終ラウンドは、ものすごい勢いで攻撃を仕掛けてくるでしょう。波に乗ったあなたと闘うのも一興だけれど、万が一ということもある。今回はトーナメント戦。このまま決着をつけさせてもらうわ!』

セーラが、猛然とラビニアに打ち掛かる!

飛び込んでからの二段斬り!
目にも止まらぬ早業とはこのこと!ラビニアはガードを上げることすらできないっ!

『速い!来るのがわかっているのに防げない!』

KO!

セーラぁぁぁ!!

ミンチン女学院生同士の対決、プリンセス対未来の大統領夫人の対決は、プリンセスの勝利!

「勝者、セーラ・クルー!!」

勝者のセコンド、敗者のセコンドが選手に駆け寄る。セーラとラビニアのどちらが強いのか?品格、人格、性格、知性、美しさ、資産において、セーラがラビニアを上回っているのは周知の事実だ。ラビニアがセーラに勝てる要素と言ったら、格闘技の強さ、物理的な強さでもってセーラをねじ伏せる以外残っていなかった。

それなのに、格闘技でも勝てなかった。

ひざまずき、悔し涙に濡れるラビニアの目の前に、陽の光が差した。目を細めながら、上を向くと、そこにはセーラがいた。なんと、手を差し伸べてくれているのだ。

「あなたと仲良しになりたいと思っていたのよ!」
「ふふふ…あははは…うふふふ!!」

「ラビニア選手、長年憎んでいたセーラ選手と再び握手!」

会場は感動の嵐に包まれた…。ラビニアファンもセーラファンもお互いに手を取り合い、肩を抱き合い二人の健闘を称えていた。

拍手は鳴り止まない。

「セーラ、あたしの分まで頑張るのよ。あらいぐまなんかに負けないでね。優勝しなきゃ許さないんだから」

「ええ。もちろんよ。ラビニア」

セーラはラビニアに肩を貸しながら、武舞台を後にした。

動画を見ようぜ!

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