注意!
キャラ崩壊あります。暴力的な描写もあります。二次創作、三次創作に嫌悪感を感じる方は、ブラウザバックしてください!
さあ。
まずは動画を御覧ください!
「ナナミ先輩っ!ありがとうございましたっ!」
試合終了後、ポルフィは深々と頭を下げナナミに感謝した。ナナミもポルフィの剣技の素晴らしさを褒め称えた。前回のアンジェレッタVSマリア戦に続き、試合終了後も爽やかな空気が会場を包んでいた。
「Cブロックの決勝はナナミとアンジェレッタかぁ…どうなるかわからないわね」
観客席から試合を観戦していたアニタは呟いた。
「アンジェレッタ?ああ、あのひ弱そうな娘ね。彼氏がいなかったら負けてたかもしれない娘でしょ?ナナミのパワーの前には、敵いっこないんじゃない?」
アンネットは何を言っているのかと言わんばかりに吐き捨てた。ナナミはアン・シャーリーに圧勝し、マルコを完封したポルフィをも粉砕している。アンジェレッタが勝てる見込みはないと思っていた。
「アンジェレッタは強いわよ。パワーでは勝てないかもしれないけど、試合運びも上手いし、追い詰めたと思っても盛り返してくるのが怖いのよ」
「ふうん。まあ、私はもう負けちゃったから、そんな娘関心ないわね。それよりも…犬よ!ラッシーVSジェーンが気になるわ!私は、ジェーンって娘が勝つと思うわ。あの娘、ガッツもあるしリアル天使と言われるポリアンナ・フィティアを倒してしまったんだから」
ジェーン
「はぁはぁ…ジェーン、今日はこのくらいにしようよ…明日は試合だし…。ジェーンも疲れたろう?」
「いいえ!セディ、私はまだまだやれるわよ!」
マットも壁もぐしょ濡れであった。全身汗みずくとなっていたセディとジェーン。試合前なのに飛ばし過ぎだと思ったが、セディ相手だとついつい張り切ってしまう。タガが外れたように襲いかかってしまうのだ。
ドアの開く音が聞こえた。
「ジェーン、随分良い仕上がりのようね」
メイド頭のメロン夫人であった。
トレーニングルームが、2人の飛び散る汗でものすごい熱気を帯びていた。
組技、模擬刀を持っての乱取り稽古を行っていた。相手はカットラスのような爪を8本をつけた化け犬だ。人外と勝負する恐怖もあり、ジェーンの気持ちは高ぶっていた。
「一回戦のポリアンナさんも相当な強敵でしたが、ラッシーは予想を上回るほどの強さです。優勝候補のカトリさんが手も足も出なかったほどです。しかし、あなたの剣の腕と兼光を持ってしてならあるいは…」
「ご心配いりません、メロン夫人!このジェーン、必ずや凶犬退治をいたします!」
「がんばってね、ジェーン。僕がもっと大きければ、ジェーンの良い練習台になるのに…」
「(なんて健気な…)いいえ、若君。若君は十分大きいですよ。大きさは十分でございます。明日、ジェーンの戦う姿を側で見ていただくだけでも光栄でございます」
「うん!一生懸命応援するよ」
SRS席
SRS席、スペシャルリングサイド席のことだ。総合格闘技やプロレス、ボクシングなどでは大物政治家や大手企業の経営者を招待する際にも利用される。しかし、この大会はトーナメント参加選手と関係者であれば座ることができた。通常、これから試合を控えている選手はほとんど来ることはなかったが、アンネットはすでに敗退してしまったので盟友のアニタと一緒に観戦に来ていた。
あらいぐまと犬の暴走。
アンネットは、暴走などではなく古豪を次々と破っていく獣キャラの暴挙だと思っていた。
暴挙は止めねばならない。本来であれば、自分がトーナメントを勝ち抜き退治をすべきだったと思い切歯扼腕していた。
アンネットはジェーンに期待していた。彼女なら犬の暴走を食い止めてくれると。
素晴らしい剣技であるし、好きな男性のために頑張っているという話も聞いた。ぜひとも勝ってほしい。
試合開始どころか、選手も入場していないが、アンネットは気持ちが高ぶっていた。
それと…左側が妙に眩しい。入場時のライトの調整でもしているのだろう。
「こちら、良いかしら?」
優しく甘い響きを持った声が、アンネットに話しかけている。
「ええ…空いているわ…よっ!?」
眩しい!
眩しいのはライトではなかった。この少女から放たれている光だった!
「おっふ…」
アンネットは思わず息を呑んだ。天使と言われるだけのことはある…!同性の自分ですらここまでときめいてしまうのだから、男の子が見たらどんな気持ちになるのだろう。
「アンジェレッタじゃない!座って座って、それにアルフレドも!」
「やあ、アニタ!アンネットのセコンドについていたのを見たよ。体重測定の時も大活躍だったね」
テヘヘ…と照れ笑いしたあと、アニタはアンネットをアルフレドに紹介した。
「やあ、はじめまして。アンネット。よろしく」
「よ、よろしく」
アンネットは差し出された手を握ると頬を赤く染めた。
『こ、こんなきれいな男の子…見たこと…ないっ!そりゃあ、ルシエンはいい男だけど、洗練されていると言うか、全身からオーラを出している男なんて…初めて!』
フラフラしかけていると、続いてアンジェレッタが話しかけてきた。
「はじめまして、私アンジェレッタ。よろしくね。アンネット」
アンネットがアンジェレッタの手を握った瞬間、体中に電気が走った。頬を染めるどころではない。顔が真っ赤になっていた。
『アンネット…!何真っ赤になってんのよ!』
アニタはアンネットの姿を見てやきもちを焼いたが、アンジェレッタ相手では仕方がない。初対面ではみんな同じような反応をしてしまうのだ。
『流石…このトーナメントで2回も勝ち抜いているだけのことはあるわっ…!対戦相手たちは、彼女と向かい合った時に感じるこのオーラとも戦っていたのね…』
相対してようやく分かった。アンジェレッタの美しさだけではない、うちに秘めたる強さを感じていた。
ジェーンVS名犬ラッシー
「赤コーナーよりラッシー選手の入場です!一回戦では『妖艶なるヒロイン』カトリを蹂躙。オーバーキルとも言える必殺技で病院送りにしてしまいました。カトリはすでに退院しすっかり元気になりましたが、とにかく容赦ないのが凶犬ラッシーだ!人と人の試合はもう見飽きたんだ!獣の闘いが見たい!獣の強さを感じたいっ!鋭い爪がジェーンの柔肌を切り裂くのかっ!?」
場内からはブーイングの嵐。
「ジェーン様が負けるわけないだろ!」
「柔肌がどうしたぁ!?謝れ!」
ジェーンの応援団は一回戦の時よりはるかに増えていた。
リアル天使ポリアンナを倒し、大番狂わせを演じた選手として注目を浴びていた。観客たちもあらいぐまや犬の残虐ファイトには辟易し始めていたし、そろそろ誰かが暴走を止めてほしいと思っていた。
日本刀を持った美人メイド。
これは期待するしか無い。
「失礼しました…おれに首輪は必要ねえ!凶気の野犬とはおれのこと!名犬ラッシー!」
「青コーナーより、ジェーン選手の入場です!」
場内は大歓声に包まれた。
ジェーンコールが響き渡る!
「山田栄子女史の御声!栄子女史の最後の砦!ラビニアもジョオも散った!自分はまだ散るわけにはいかない!なんとしても決勝まで、あわよくば若君の敵であるアンジェ…いや。元彼がロミオで現在の恋人はアルフレド・マルティーニであるアンジェレッタを倒したい!ドリンコート家のメイド若頭、雷撃の一輪挿し!ジェーン・ショート!」
『お祖母様…また…』
祖母のイザベラが仕組んだ匂いがプンプンするセリフに、アンジェレッタは一瞬恥ずかしくなったが、アルフレドと視線が合ったので2人で笑ってしまった。
「まったく微笑ましい!微笑ましいカップルです!」
第一ラウンド
ラッシーの不規則なフットワークに対しても、ジェーンは冷静だ。
うまく背後に回り込もうとする。
犬の背後に回り込んでからのジェーンの頭突き!
ダメージは大きくないが、リズムは作れそうな一撃。
が、犬も即反撃。凶暴な爪が一発、二発とジェーンを引き裂く。
更に回り込み機会を伺うジェーン。
「うまいっ!流石ジェーンだわ!そこよっ!」
斬撃が1発、2発、3発と決まった。
アンネットは大興奮だ。
強いと言っても所詮は獣。真正面からぶつからないように攻撃を避けながら、ダメージを与えていけば勝てるはずだ。
『何っ!?』
背後からの爪攻撃。肘打ち、爪の6連続コンボ!
『こいつ…後ろに目があるの!?』
「ジェーン!!これをっ」
若君の青い果実!!
『力が湧き上がってくる!体のうちから…セディを感じるっ!』
ジェーンは渾身の切り払いを放ち、直撃を受けたさすがのラッシーも体を反らせて悶える。効いている!
「ジェーン!続けて!止まっちゃ駄目だぁ!」
セディの声は届いていたが、攻撃を受けるのに精一杯だった。
ラッシーはカトリを倒した技、ブリッジしたまま股間を相手に押し付ける技を発動。これは全部防ぎきった。
しかし、犬の攻撃は止まらない。薙ぎ払い、蹴り。鋭い爪の前にジェーンはダウン!
KO!
「ジェーン!大丈夫!?」
「わ、若君…」
メロン夫人、セディの母アニーが見守る中、セディは一生懸命ジェーンの応急処置をした。手当に関してはメロン夫人やアニーの方がはるかに上手いのだが、ジェーンにとってセディの手当ほど嬉しいものはない。傷口の洗い方や拭い方、ワックスの塗り方は雑だが、とても一生懸命にやってくれる。
「おおっと!SRS席を御覧ください!破壊神アンネット、アンジェレッタ、セコンドのアルフレドが観戦しております」
会場からはアンジェレッタコールが鳴った。
『何よ…アンジェレッタばっかり』
アンネットがふくれっ面をしていると、
「おい、破壊神って言っても近くで見ると可愛いじゃないか!」
「本当だ!それに、隣りに座っている赤毛の娘、アニタも可愛いよな」
『ふっ…』
アニタとアンネットが2人揃って髪の毛をかき上げる。
「アンジェレッタ様にアルプス少女2人が加わって美しさ120%だぜ!(アンジェレッタ100%、アンネット10%、アニタ10%)」
内訳を知らない2人は得意になっていた。
『くっ…アンジェレッタ…!私より目立ってどうするのよ!』
ジェーンは、アンジェレッタのことを敵とみなしてはいなかったが、「愛する若君を倒した女」ということで一方的にライバル視していた。ちょうど、ラビニアがセーラをライバル視するかのように。
『あの女の前でみっともない闘いはできないわ!』
メロン夫人は安心した。ジェーンは1ラウンドこそ落としたが、気持ちは全く負けていない。それどころか、気合を入れ直したようだ。
第二ラウンド
開始早々、ラッシーからは変則的な連続攻撃により、大ダメージ!
手数も多い上に一撃が重い。倒れているジェーンの顔や胸に打撃を与えるものだから、痛々しい。会場はすぐにブーイング!
「これ以上ジェーンをいじめるなぁ!」
今度はジェーンの番だ!
ジェーンはこれで終わるたまじゃあない!決死の大反撃。背後にまわって大ぶりの斬撃!
人外の耐久力と運動能力を持ったラッシーは再び盛り返す。
立ち上がったところをボディーブロー!どんなふうに入っているのかわからないけど、数コンボ!黄色ゲージまで追い込まれた!
もう一個!若君からの果実を口にした!
からのトルネード斬りじゃぁ!!
追い込んでる!
がっつり効いた!
まだ動けるだと…?
強いな、ラッシー!ジェーンのHPも風前の灯だ。
「ジェーンしっかりしなさい!苦しいときこそっ…!」
メロン夫人が思わず叫んだ。
「アイアイサー!」
ジェーンが応じた!
これはいけるっ!!
空振った―!!
ラッシーの爪の餌食に…。
KO!
あ~、あと一歩だったのに!最終ラウンドにもつれ込めば、勝った可能性も十分ありました。これで山田栄子女史のキャラは全滅…。
動画を見ようぜ!
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