ペリーヌ物語 狼、鬼畜農民、飢餓との闘い

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前回のレビューではあまりの不幸の連続で、ハラハラしっぱなしでした

小石を口の中に入れて乾きを癒やすところは胸が苦しくなりました。
火垂るの墓で節子が「おはじき」を舐めていたのを思い出してのう…。

もうそろそろ怒涛の不幸も収まるのかと思いきや、第9章のタイトルが「力尽きて」だったのでガックリ。

とにかくペリーヌの安否が気遣われます。

大嵐の中、辛うじて小屋へと逃げ込んだペリーヌでしたが、疲労困憊、服もボロボロ、髪もグシャグシャで身繕いする暇すらありませんでした。雨がまだ降っているのを幸いに、身繕いを開始。

溝を流れる水で洗顔。

洗面は熟睡と同じくらい疲れをほぐす効果があり回復。
髪を梳かし2本のブロンドにし、心は穏やかになり体はしゃんとした。

今までのパリへの旅でも相当な苦労をされたのでしょう。13歳の女の子なのに、精神修養は相当の域に達していると思われます。

靴下も穴が空いていたので、お裁縫で修繕。
この仕事に集中することで空腹を忘れることもできた。
靴下の穴の修繕だけではわからないけど、きっとお裁縫スキルも相当高いんだろうな。

飢えを凌ぐために白樺の葉っぱと枝をしがんでみたものの、食べられたのは僅かな葉っぱのみ。そう、たしかに白樺は毒ではないしサバイバルゲームの「ロングダーク」では、白樺の皮を利用して白樺茶も作れます。

今、ペリーヌには火種もないものな…。

やがて夜が深まり、飢えと恐怖でペリーヌの胸は締め付けられます。

寝ようと思っても飢えで眠れない。
ふと思い至ったのが、野生動物による攻撃。森の中ですから狼の襲撃も考えられる…と思い立ったペリーヌは、一本のしっかりした棒を選び、それを削って「木の槍」を作成!

更に身の回りにある薪を利用して即席のバリケードを作成!
立て籠もれるとのことなので、バリケードどころか砦。

「きっと勇敢に闘ってみせるぞ!」

対ゾンビにも有効なバリケード、吸血鬼をも倒せそうな木の槍。
作るだけでも一夜明けてしまいそうです。空腹に拍車をかけていくぅ!

あっ!

だからミイラさんは動画でペリーヌに木の棒を装備させていたのか!

一気に「砦」を作ったペリーヌのサバイバル能力の高さは凄まじい。

自衛隊のレンジャー部隊もかくやと思うほどの腕前。

「ふしぎな島のフローネ」でも狼よけのバリケードを作っていましたが、ライフルで武装したお母さん、番犬、大量の松明があってもぶち破られてしまいました。

おそらくペリーヌが作った砦は、これとは比べ物にはならないほど強固な代物だったのでしょう。

小さい頃から野宿を繰り返し、ガチのサバイバルを経験したペリーヌの作ったバリケードと、サバイバル本を読んだことがあるだけのお医者さんが作ったそれとは強度が違って当然!

「家なき子レミ」のヴィタリスさんに至っては、不意打ちだったこともあってか、バリケードどころか、白兵戦のみで狼と対峙。

欧米ですと狼ってめっちゃ悪者扱いなんですよね。本当はめったに人を襲うことは少なく、人間が思っているほど好戦的ではないようです。

ペリーヌは無事、朝を迎えることができました。
本当に運が良かったですね。

いえ、ペリーヌではなく、オオカミたちがです。
ペリーヌを襲っていたら間違いなく串刺しにされていたでしょう。襲撃しなかったのは賢明な判断でした。

天気は昨日とは打って変わって晴天。
小鳥たちのさえずりも聞こえます。

しかし、状況は絶望的です。

このあまねき歓喜の中にあって、自分ひとりだけ絶望していたままでいられようか?不幸はいつまでもわたしを追いかけつづけるだろうか?

13歳の女の子ですよ?
なんてことを考えるんだ…。それだけ逼迫した状況だからとはいえ…。

路上にお金が落ちていないか?2スー硬貨が落ちていないか?

ペリーヌの健康状態は最悪。昨日の気分の悪さが繰り返し襲いかかり、ムカつき、めまい、腕も足もヘナヘナになる異常な発汗…。こうした症状の原因は胃袋が悲鳴をあげているせいだ…。
昨日の白樺の枝で飢えを凌ぐのは失敗した。あの実験をまたやることはできない。

もう…読んでいてものすごく辛いんですけど…。

更にペリーヌは自問自答。
もう一度立ち上がれるだろうか?
このまま死ぬのか?
父の言葉である「最後まで闘う者は救われるではないか」という言葉を思い出しながらも、今日は昨日とちがってそんな力は残っていない。

とか…。

それでもゆっくりと歩みを進めるペリーヌ…。

エンドウ畑の摘み取りをしている農婦たちと遭遇。
ペリーヌと同い年くらいの娘たちも数人います。

これで一息つけるか…?
意地悪なやつもいるけど、世界名作劇場の農村には概ね優しい人の方が多いんだ。追手に追撃されるアルフレド&ビアンカ兄妹を匿ってくれた百姓夫婦も居たし。

ペリーヌは勇気を奮い起こして農婦たちに話しかけた。

が、農婦はペリーヌをよせつけなかった…。

はい?

今にも死にそうな女の子なんですけど…?

「パリから人の仕事を横取りしにきたのらくら娘だってさw」
「言ってるだろ、人は要らないって」

「ほれ!お巡りさんが来るぞ!」

…。

あの~…こいつら全員鬼ですか?

ペリーヌとほぼ同い年のティーンエイジャーとは思えない非道ぶり。将来どんな女になるんだろう?

パリ近郊の農村に巣食う名もなき修羅農民ですらこの有様です。いわんや、パリ市民をや…。

このクズども…表紙に居た連中じゃないか?

手前の可愛い子がペリーヌ

「さっさと失せな」

「何をしたからと言ってあの人たちはあんな酷い仕打ちをするのだろう?」

ペリーヌは疑問に思います。

私も疑問に思います。

木の槍の使い所かと…。

ペリーヌの身なりもそこまでボロボロでもないし…単純にコイツラの底意地が悪いということなのでしょう。

ついにペリーヌは死を覚悟。
野垂れ死にするのであれば、せめて修羅共の好奇の目にさらされずに最後の眠りにつける場所を探しに…。

ペリーヌは栗の若木の影に腰をおろし、いつもの眠りにつく時するように、腕を枕にして身を横たえた…。

はぁ~…絶え間ない不幸の連続。

読んでいる時「小公女セーラ」のOP曲『花のささやき』が、ずっと脳内でこだましていました…。

ペリーヌ用に少し歌詞を変えて…一句できました。
今のペリーヌにぴったりな曲だな…。

家なき娘OP曲 『槍のささやき』


私の胸の 片隅に抱いてる
するどい槍に 名前はないけど
乾いた時は 丸い石ころひとつ
お口に 含むの
すると唾液が 湧いてくる

私だって 泣こうと思ったら
声をあげて いつでも泣けるけど
胸の奥に この槍あるかぎり
強く生きて みようと思う

2番は変える必要はほぼなし。
明日はきっと 今日よりはいい日と
祈りを込めて 星空をみると
淋しくたって一人ぼっちじゃないよと
ささやいて くれるの
胸に抱いてる 薪の槍

私だって 幸せほしいけど
ほかにもっと 大事なものがある
それが愛か 優しい心かは
生きてみれば わかると思う

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