立ち上がれ!ペリーヌ!

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疲労困憊、満身創痍という言葉ですら生ぬるい。
せめてひと目につかないところで、ひっそりと死にたい…。

ペリーヌ13歳は最後の最後まで闘いました。狼に襲われるかもしれない恐怖、飢餓との闘いももちろんでしたが、最も恐ろしいのは農婦の皮を被った女夜叉どもでした。

絶望に打ちひしがれてついに限界。

一眠り、否、永遠の眠りにつきかけていたところ…。

「ぺろり」

何かがペリーヌの顔を舐めている。
大きな舌。更に顔を草の上に押し付けられた。

「パリカール!!!」

うおおお!

来た!

確かパリ市内で売られてしまったペリーヌのロバ!
ペリーヌが再会を喜んでいるところに、パリカールの現在の主人と思われる男がやってきた。

男と思しき人は、パリカールを買ったルクリでした。
登場時は男装している女性かもしれないけど、やっぱり男だな…という書き方でしたが、どうやら本当は女性のようです。

「どうした?病気かい?」

ペリーヌは返事をしようとしましたが、フラフラでその場にへたり込んでしまい、蒼白な顔と虚ろな目が返事の代わりになった。

悲しい…。

ルクリはペリーヌの容態を見てすぐに救いの手を差し伸べてくれました。

くず屋さんだから、ここぞとばかりにペリーヌの身ぐるみ全部剥がしてしまうのでは・・・と心配しましたが、優しい人でした。

ルクリはあらゆる貧苦を知り尽くした苦労人。今まで出会った鬼畜外道共とは全く違うお方でした。

「きっと死ぬほどひもじいんだ」

ルクリは瓶をペリーヌの唇に差し込んで、おそらくぶどう酒か何かを飲ませました。
飲み終えるなりペリーヌはしゃんとして、食事を摂ることに。

ワインの瓶のようなものを取り出すルクリ

パンとチーズをがっつくペリーヌ。人心地の着く食事は久しぶりです。チーズなんて、パリの日々を振り返っても何日ぶりなんだろう。

急にかっ込んでは、胃腸に負担がかかります。優しいルクリはゆっくり食べろとペリーヌに忠告。

パリカールもルクリに懐いているようですし、ルクリもパリカールを気に入ってデレているようにも見えました。ここでルクリが来なかったらと思うと、ゾッとしますね。「家なき娘」は打ち切り、ただ単に可愛そうな女の子が虐められて死ぬだけの物語となっていました。

ルクリはペリーヌがどうしてこのような危機的状況に陥ったのかを尋ねました。

話は母の死から始まり、サン・ドニ事件のところに差し掛かると、ルクリは激昂!
パン屋のおかみさんに罵詈雑言の一斉射撃を浴びせた!

サン・ドニ事件とは?

あのパン屋のババアに5フランをだまし取られた挙げ句、泥棒扱いされたことを言うのか!

パンを一切れも売ってくれないどころか、野次馬も焚きつけペリーヌへのヘイトをあおり続け、危うく事件どころか「事変」へと発展するところでした。ペリーヌは賢いから、キチガイ連中を相手にせずその場を去りましたが、もしまともに相手をしていたらペリーヌがどんな目に遭ったか想像も尽きません。

それだけ恐ろしいんですよ。当時のパリの下町の連中は。

「そいつは泥棒に決まっているよ!」

ルクリが猛る!!

「あたしはニセ金なんか誰にもつかませないよ。そもそも、だれかににせ金をつかまされるようなあたしじゃないからね。安心しておいで。こんどあたしがサン・ドニを通る時、ちゃんと取り返してやるから。返さなけりゃ、隣近所の連中を集めて、けしかけてやる。サン・ドニには友達がいるから、みんなで店に火をつけてやる。

香ばしいパンが焼けそうじゃないかっ!

惨憺たる状況が続いていましたから、読者としてもルクリの悪態を聞いただけで溜飲が下がりましたよ。

パン屋の店舗だけでなく、あの辺り一帯を焼き払った方が後顧の憂いがなくなるので、やっちまいましょう。

「やっぱり子供だねぇ、考えることが…」

はっ!?

この一言は…絶対に助けてくれるパターン!

  • 本当にガキだねぇ…。
  • どうやって生きていくのさ?あてはあるのかい?

この手のセリフを吐く人は割りとツンデレなキャラだったり、主人公をかばって死んでしまったりする良キャラ。頼もしいですね!

ルクリは、マロクールまで一緒には行けませんが、途中までは一緒に行ってくれることになりました。
寝起きはルクリの馬車の荷台で、食事はルクリのお手伝いをすることでなんとかなりそうです。

「ちょっと言ってごらん。『ご不要のウサギの毛皮、古着、くず鉄はございませんか』って」

ペリーヌはよく通る声をしているようで、一発合格。

途中からは汽車で行けと言われ、ペリーヌは汽車賃は?と問い返すと、

「パン屋のおかみに盗まれた分として、あたしが百スー(5フラン)を立て替えてあげるよ。あのお金はちゃんとあたしがとりかえすから、安心しておいで」

すげえ!

頼もしい一言!

ぜひとも「トイチ」で借金を回収してやってください!ルクリが再び「サン・ドニ」に着く頃には、100フランを超えていることじゃろうて…。

パン屋のババアの「グニャぁ…」「ざわざわ…」が見たい!

ルクリ良いキャラだな。
クズを回収し、どこかに卸したり、中古販売をしているんだろうけど、男装をしないと女だと思って舐められる。あるいは乱暴な目に遭う可能性だってあります。産廃業界は現在でも切った張ったな部分があるので、当時のパリ、一般民衆がほぼ修羅という状況ですから、男装しないとやっていけない業界なのでしょうね。

ルクリはこの時50代ですが、若い頃は絶対美人だったと思うんですよね。美人故に男装をしたという…。ルクリのスピンオフもできそうな勢い。

コメント

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