第11章 ロザリー
この章の冒頭。
なにもかもルクリの筋書き通り進んだ。
一週間、近隣村々をめぐりルクリの廃品回収のお手伝いをしておりましたが、筋書きというのが気になります。
ペリーヌに屑屋の仕事を手伝ってもらうこと、5フラン建て替えてあげることなどでしょうけど…もしやと思ったので想像で書きます。
ルクリとペリーヌはもしやパリへ一度寄ったのかも…?と。
ペリーヌの5フランを騙し取ったパン屋のババアには、ルクリも相当頭に来ていましたからね。
回収するのは廃品だけじゃない。銭の回収もお手の物ってことでしょう。
ネタも古いし寒い。自分用の記事だなこりゃ^^;
以下、妄想…
ルクリとペリーヌは、悪徳パン屋から5フランを回収するためパリへ寄ることにした。
「何にする?」
旅塵にまみれた男性一人とボロの服を着ているが、身繕いはしっかりしている少女にパン屋の女将は声をかけた。
「5フランを返しなよ」
「男」が自分に向かって何を言ったのかわからなかった。
「何だって?」
「2,3日前、この娘が5フランを支払ってパンを買おうとしたのに、お前は偽金だと難癖をつけて5フランを奪い取ったそうだな」
パン屋の女将は男の傍らにいる少女を見やった。
返さないなら警察に通報すると脅したが、パン屋の女将は悪びれるどころか、ルクリとペリーヌが強盗、偽金を扱う詐欺師だとわめき始めた。
野次馬も集まってきたが、多くの者がルクリのことを知っており、パン屋の女将が言っていることは全てデタラメだろうと思っている者が大半だった。
「早く失せな!」
麺棒を振り回し、ルクリに殴りかかったが、投げ飛ばされ組み敷かれてしまった。
後ろ手に縛られ、床に転がされる女将であったが、それでもルクリとペリーヌをひたすら罵り続けていた。
「ペリーヌ、あれを…」
ルクリに言われたペリーヌは、液体が入ったバケツを持ってきた。
野次馬たちはどよめき始めた。一体何が始まるのか?
「みなさんお揃いで…心も満タンに…」
ペリーヌがつぶやいた。野次馬たちは彼女が何を言ったのかわからなかった。
『こ、この小娘…数日前にパンを買いに来た時とは…まるで別人っ!?』
ペリーヌからバケツを手渡されたルクリは、パン屋の女将に向かって微笑んだ。
「5フランは返すよぉ~!だからっ…」
「助けてほしいのかい?5フランを返せば済む話じゃない。5フランを騙し取られて、この娘は死ぬところだったんだ。ええ、私が通りかからなかったら、そのまま野垂れ死んでいた!!!」
命乞いを続けるパン屋であったが、ルクリの逆鱗に触れてしまってからではもう遅い。
「わかってなかった…私は…屑屋だけど…本当のクズがどんなものかを…知らなかった。それを、あんたが私に教えてくれたんだ。ありがとう。礼を言うよ」
言うやいないや、ルクリはバケツの中身を店中にぶちまけた。
「ガソリンはお好きかな?」
「しぎいいいいいっ!?」
女将は芋虫のように縛られながらも、ジタバタともがき叫び狂った。
「もし、私が…ここで火をつけたら…まっとうな屑屋には戻れないだろうな」
野次馬たちはこの事態に大はしゃぎだ。
「火をつけてやれ!」
「美味しいパンが焼けるぞぉ!」
ルクリは女将には背を向け、ペリーヌの方へ視線を向けた。
「そして…私はまっとうな屑屋になる気なんざ、さらさらねえっ!!!!!」
着火。
店舗中に火が燃え移って行く。
「私は間違っているかい?ペリーヌ…」
ルクリの問いかけには答えず、ただ炎を見つめ続けるペリーヌ。
「ペリーヌ、よく覚えておくんだ。立身出世の本懐は鮮やかに敵をしとめることじゃない。たとえみっともなくとも勝つことが肝心だ」
野次馬は一気に火事場泥棒と化し、手当たり次第にパンや金を奪い取って行く。
女将は叫び続けているが、暴徒と化した連中を止めることはできない。
※『刃牙 死刑囚編』 愚地克己VSドリアン 参照
なんてことが、一週間のうちにあったのかなと^^;
ペリーヌは上巻中盤当たりまでは、こてんぱんにイジメられたり、苦行続きなのでスカッとする展開を勝手に想像して楽しんでおりました。
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