ショウは、今までとは比べ物にならないほどの強力な…危険な邪気を感じた。
デルフやレッサーデーモンクラスではないことは確か。その正体を探るために気を集中させるショウ。ショウの背後で、仲間であったログが突然「マバディ（HPを一桁にしてしまう僧侶系呪文）」を唱えたのだった！
ショウは前のめりに倒れていた。
こいつ…ログはやはり埋伏の毒だったのか！
と、驚く必要はありませんね。読者にはわかっていました。復讐鬼編の前篇でログは敵方の忍者ザン・デンと一緒にいましたからね^^;埋伏の毒だったログが、ついに牙を剥き主力と言うか歩く核兵器ショウを戦闘不能状態へと追い込みました。
驚愕しているフィルとキャンの眼の前には邪なる者がっ！！！
ライカーガスのエナジードレイン（吸精）を受けてしまった。すなわち、レベルダウンってことです。この概念は…ドラクエやファイナルファンタジーに慣れ親しんだ人にとっては受け入れがたい事実。私もFFとDQしか知らない中学時代には…受け入れられませんでした。ライカーガスによるエナジードレインは2レベル分奪われます。忍者のキャンにとって2レベルは非常にきつい…。レベルアップに要する経験値の多さは、全職業で一番ですからな。付随効果として麻痺も受けてしまっている。
ライカーガスの無能ぶり
私個人的には、ショウは正伝、外伝通じて非常に厄介なキャラだと思っています。主人公とは言え、あまりに強すぎる。だから駄目だと言っているわけではありませんよ^^;読者ですら、そう思ってしまうのですから、敵陣営にとってはルーよりも危険な存在です。殺れるときに殺っておかないと、必ずやられてしまいます。
フィルはLV2エナジードレインと麻痺を喰らいながらも立ち上がった！
「麻痺はしているわ」
と、ライカーガスさん。
いや…立ち上がっているんだから、麻痺はしていないでしょうよｗ
「エナジードレインなどで弱らせるより、ひと思いに首でも刎ねるか石化してやった方が良かったかな。もっとも人間風情にそこまですることはなかろうて」
ライカーガス様の詰めの甘さ。片腕のデルフを倒され、それもショウ以下ほぼ無傷での勝利について、彼はなんとも思っていないのか？
「そのような甘いことを！」
ログの言う通りだ！早くショウを始末しなきゃいけない。
自らの手を汚さずとも、人間同士でかたをつけろと。
ログとフィルたちの因縁なんて、悪魔の彼にとってはどうでも良いことでしょうけど…ギルを別次元に飛ばしたり、強力な悪魔すら葬ってきたショウを、そのまま放置していく感覚が全くわかりません。「人間風情が」で済む相手ではありません。マイルフィック様に呆れられるどころか、ギルにまた馬鹿にされるぞぉ！生きて帰れたらだけどね…。
ログの哀しき生い立ちが語られる。
コウリュウの地は元々古エルフの土地だったが、あとから入ってきた人間たちは、先住民であるエルフたちを支配。奴隷とまではいかずとも賤民扱いし使役。公的な職業につくことはできないと…。
これはきついなぁ…日本で言うと土佐藩の長宗我部パターンのやつか…上士と下士。下士は侍にあらず。いや、それよりも更に苛烈のようです。
ログのような古エルフ（と言っても、かつてのエルフほどの長寿ではなさそうな純血エルフ）にとっては、コウリュウ家の支配など受け入れられない。差別され続けた苦しみを忘れられない。今回の首謀者の一人であるギルもまた、ログと同じ純血エルフの出自であるとのこと。ギルめ…ログに話を合わせてうまく乗せたんだろうな。
同じエルフでも、フィルのご先祖様達は人間たちに自分たちの土地を譲渡し、それなりの役職についているとのこと。ログにとってはフィルのような連中は控えめに言っても売国奴。言うなれば国賊です。恨み骨髄に達している気持ちはわからんでもない。
これは私の勝手な想像ですが、古エルフ達は、当時の人間たちと比べて原始的な営みだったと思われます。そこへ支配欲にまみれ、文明の発展、進化を渇望する人間たちが入ってきて、エルフは駆逐された。だけれども、人間（エルフ、ドワーフ、ホビットなども含む）の進化を望んでいるのは、魔除けを作った創造主の願いでもあります。停滞あるいは緩慢な進化で満足しているエルフたちよりも、人間の方が望ましい存在だったとも言えるのではないでしょうか。
なんか動いているぞぉ！ライカーガス！マドハンドがなっ！
絶対に交わることのないログとフィルの生き方。
コウリュウ王はかつての先住民との融和政策を実行しようとしていたようですね。しかし、ログはそんな小手先の政策など認めない。ここまで来てしまったら、あとには引けません。フィルとの決着をつけようとメイスに手を伸ばす。
「んー」
「この感触どこかで」
「まさか！」
バカが！！！
まさか！じゃぁねえんだわ。
もう手遅れだぞ。
ショウのヒーリング能力を舐めるなよ。
伝説の草薙の鎧を装備しているんだ。フィルとログのやり取りは3,4分としても、草薙の鎧のヒーリング能力に加えてショウの天性のリジェネと言ってもよい回復能力を持ってすれば…瀕死状態からの回復なんてあっという間。
想像ですが、草薙の鎧…＋HP10/分ほどはあるのかなと。
HP30以上あれば、立ち上がることなんて造作もないはず。
瀕死状態だったのに、ケロッと立ち上がってきたのでログは大慌て。
しかし！ライカーガス様は流石の大物！
全くビビっておりません！
「なるほど―息の根を止めておかなんだは失策よな。その甲冑の秘めたる能力か…」
だから！
さっきログが『とどめをさせ！』って言っただろうが！
千載一遇のチャンスを逃したことにまだ気づいていない、脳内お花畑のライカーガス様。
「「クサナギ」め――形は変われど力は変わらずか―」ギリッ
「ギリッ！」とか言われても、ガイコツだから表情がないので、怒っているんだかわかりづらいのよね。ったく…理科室の標本みたいな格好しやがってからに…。
麻痺とエナジードレインでフラフラになっていたフィルとキャンに、ショウが触れると、麻痺が消えた！まさかのキュアパラライズ効果（ディアルコ）！！
何だよこれ…詠唱なしで触るだけで回復だと…？
「オラの気を分けてやった…」的な感じで回復したぁ！描写はないものの、ちゃっかりエナジードレイン受けた分まで治っていやしないだろうな^^;だったら最高なんですけど。
ショウは、埋伏の毒であるログに対して大説教！！
上下逆転して強いものが支配するだけの世界ではいけないと。
「ショウ殿なら泥海にのたうつ人々をすくい上げ完全な平等な世界を構築できると云うのかな？」
完全なる平等だと…？エルフで賢いやつかと思いきや、共産党見たいな青臭い、いや赤臭いこと言いやがって。
ショウは平等な社会を作ることは不可能と言いつつも、泥海にいる人をすくい上げることはできるし、少し理想に近づけることならできるであろうと…。
石垣御大｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡！
「自分の力が及ばぬのなら、後に続く者のための礎になる―その程度のことはできるだろう」
ショウと御大のご意見のはず！
イズモを良くしていこうぜよ！
新しいイズモを作るぜよ！
おまんの力が必要なんじゃき、ログぅ！！
イズモの夜明けぜよ！「志士」になれるか？ログよ！？
ログの説得は絶対に上手くいく。ログ自身悪人ヅラではないし、必ずまたショウ陣営に戻ってきてくれると思っていた。あとひとおしで、ショウの説得に応じるかと思いきや。とんだ邪魔が入った。
「ええい！饒舌もその辺で終わりにしてもらおうか。人間ごときの繰言―耳障りよ！」
ライカーガスが何かを放った！
黙って聞いているフリをして、ちゃっかり「気」を溜めていたんだろう！？ああ！？
バッ！！
練りに練った邪気もまったく通じていません。片手で余裕で防がれた。黙って説教を一緒に聞いていれば良かったものの…ショウの逆鱗に触れちまった。
「寄生虫だと！下郎がァ！！素首切り落としてくれるわ！」
ダメそうだな…もう終わったな。
そう言えば、ギルにも同じようなこと言われていた。
相手の力量を全くわかっていない。桁が違いすぎて、どれだけ差があるのかわからなくなっているんだろうな。
ショウVSライカーガスの脇では、ログとフィルがにらみ合っています。
「その体で何ができると云う―？」
と、言われているので、麻痺は治ったもののエナジードレインの効果は消えていないようです。ログは僧侶。フィルは侍とは言えレベル２下げられた状態で、ログとのタイマンは非常に危険です。弱き者…もとい異形のものライカーガス様の…万人が納得できる唯一の功績と言ったら、ショウの大演説に水を差しログをあちらの陣営に行かせなかったことでしょう。
ザン・デン
カメラは変わってサンザ一行。
忍者たちに追跡されているのに、一向に攻撃を仕掛けてきません。複数の忍者たちが遠巻きにして、様子を伺うのみ。非常に不気味です。不審に思っていると前方に奇妙な気配が。
サンザはそれが何かを知っているようです。
ザン…デン！！
おそらく、正伝のジャドを上回る胸糞悪い腐れ外道の忍者と思われる！
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