ネタバレ含みますので、アンの愛情を読むつもりだ!という方はブラウザバックお願い致します。
「アンの愛情(第3赤毛のアン)」は作者のモンゴメリが、結婚されたから書かれたものだったそうです。
だから、前2作とはなんとなく雰囲気が違かったのか!
まだ半分程度しか読んでおりませんが、アンが求婚されたり、アンのルームメイトが恋に落ちたり。ギルバートとの駆け引き…。そして、友人の死。恋愛要素が濃いのです。
ルビー・ギリスの死
「アンの愛情」面白いです!恋愛中心、友人関係中心の話が多いです。
ルビー・ギリスをご存知でしょうか?
アヴォンリーからの友人で、クイーン学院にも通った女性です。美人であり、彼女にぞっこんとなってしまう男性は多数。外見の美しさに磨きをかけていった彼女は、ダイアナやジェーン、そして、アンからは「合わなくなってきた」と言われがちでしたが、ルビー・ギリスは、アンのことをとても好きだったし、リスペクトしていました。
悪い娘ではないのです。
根は良い子だし、薄っぺらい性格でもありません。
なんせクイーン学院にも進学し、教師になった人です。
アンがレドモンド大学へ進学した後も、手紙を送っていました。
文面はとにかく「アンに会いたい!何をするにもアンがいないと寂しい!」と、アンへの思いをぶつけていました。それから、自分の崇拝者たちに関する悩ましい経験。ルビー・ギリスはモテるんです。
アンの里親であるマリラの友人リンド夫人は、彼女のことを尻軽女のように評価していました。
私も、ダイアナやアン、リンド夫人の反応を読んでは、ルビー・ギリスはちょっと軽薄で、男にモテることを鼻にかけたキャラなのかな…と思っておりました。
ところが。
アンが、何度目かの長期休暇で帰省した時、ルビー・ギリスが病気だということを知りました。
青い目はあまりにも輝き、きらきらしすぎていたし、頬の色は病的に紅潮していた。それに非常に痩せており、賛美歌の本を持つ手が透きとおらんばかりに細かった。青い目はあまりにも輝き、きらきらしすぎていたし、頬の色は病的に紅潮していた。それに非常に痩せており、賛美歌の本を持つ手が透きとおらんばかりに細かった。
…!?
やばい!
どこかで見たことがある表現だ。
あっ…!
青白い透き通るような小さな顔、大きな目。
アンジェレッタはすでにいたいけで、いまにも消えてなくなりそうです。両の手と同じように青白いほお、深く落ち窪んだ目…
アンジェレッタ姫と同じような状態です…。
リンド夫人によると奔馬性肺結核で死にかかっているとのこと。
ルビー・ギリスとその家族は、その事実を受入れず、ルビーは申し分なく元気だと言いはっている状態です。
アンにとっては大ショックです。
華やかで陽気な、あだっぽいルビー・ギリスが死に直面していることなど考えられないアン。
ダイアナも相当参っているようで、ルビーの所へ行きたくても、とても一人では行かれない。なぜなら、病気など気にせずに明るく振舞い、咳き込みながら話し続ける姿が恐ろしいからとのこと。
脇役が不治の病に冒されて亡くなっていく過程は、読者としてとても辛いもの。
アンは、時々ルビー・ギリスを見舞いに行きました。
ルビーはアンのことが大好きで、自分の崇拝者やドライブ、パーティーのことを、楽しげにアンに話していました。
それも、アンが不気味に思うほどに…。
ルビーは、それでも病気や死に直面していることが怖いのでしょう。口に出さなくても「次はいつ来てくれる?」と確約をしてくれるまで、アンを離さなかった…。
大好きな刺繍までできなくなってしまったルビー…。
死への恐怖を語り、アンはそれを慰めました。
好きな人と結婚したい。
子供を生みたい。
大切なものを後ろに残して死にたくない。
ルビーはアンに不安をぶちまけたことで、気を取り直し、恐怖をかなり和らげました。
その2日後、ルビーは息を引き取ってしまいました。
生前は俗世的な美しさでしたが、ルビーは…天上的な美しさでした。
ルビーの死から学んだアン。
レビューでも何でも無いのですが、大事なシーンだと思ってメモしました。
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