年末年始休暇に入ってしまい、読書時間が減りました。「ブログ書いてないで本読め!」というツッコミもあるかもしれませんが、通勤電車は読書タイムです。
現在「アンの愛情」を読んでおります。赤毛のアンの第3巻にあたります。
赤毛のアンでは、クイーン女学院を卒業し、奨学金の受給資格を手に入れたものの、アヴォンリーにとどまることを決意。マシュウの死、そして、男友達のギルバートとの和解しました。
第二赤毛のアンである「アンの青春」では、アヴォンリーで教師を務める傍ら、アヴォンリーの街を改善するために自治会のようなものを作ってボランティア活動もしておりました。
第三赤毛のアン「アンの愛情」では、いよいよレドモンドの大学へと進学します。
今回の記事はレビューではなく、自分の好きなシーンをピックアップした備忘録的なものになります。
赤毛のアンは楽しいよ!
アヴォンリー出身者はアン、プリシラ、ギルバート、チャーリー・スローン。
大学では、ボーリングブローク出身(アンの生まれ故郷)のフィリパ・ゴードンと知り合い、大親友となります。彼女は家柄もよくお金持ちで、頭も良い。社交性抜群の美女。今で言う超陽キャです。彼女も大変面白いキャラなので、別の機会に書きます。
嫉妬するおちゃめなアン
アンはギルバートのことが好きですが、恋までには発展していません。ただ、ギルバートに近づく女がいるとイラッとする時があるのです。
故郷にいる友達ルビー・ギリスから手紙を受け取ったアン。
アンへの思いと、自分がどれだけ男どもにモテているかを披露した他愛もない内容でしたが、追伸の部分に「ギルバートの手紙に寄ると…云々」と記載があったため、アンは一気に不機嫌に!
「ギルバートはルビーに手紙を出しているのね!いいわ!無論、手紙を出す権利はあるんですもの!ただ――!!」
軽蔑を込めて、ルビーの手紙を脇に叩きつけていくアンが可愛いのです。ルビーは男に媚びを売る感じですが、アヴォンリーではモテモテの美人さんです。
そういえば、ミイラさんの世界名作劇場ランキングにも、ルビーギリスはランクインしていました。
24位の高ランク!
ロミオの青い空のニキータや若草物語のメグ、エイミー、七つの海のティコのナナミを差し置いてです!アニメ版赤毛のアンを視ていないのでわかりませんが、相当な活躍をしたのでしょう。
アンの感受性
アンは湖や森、草木を視ただけで素晴らしい感想を語ってくれます。
ギルバートも「聖なる魔術のなすわざか 山の孤独につつまれて、心の痛み消え去りぬ 風に揺られて松の葉の たちまちこぼれ落ちるごと」
と返す。
こんなやり取りができるギルバートもすごいんだ。
アンは松の木一本見ただけで、松と仲良く話し合ってほっかりしたり、幸せになれます。アンの物語で度々出てくる自然との対話、自然への愛の表現が大好きなんです。読者である私まで心洗われるのです。私の穢れを落としてくれるシーンの一つ。
昔の人は今のような娯楽はなかったけれども、何気ない日常、風景から楽しみを見つけるのがとても上手い。これがうまくできる人って幸福度が絶対に高いと思います。そのパートナーとなる人も幸せですね。
モテまくりのアン
アンは休暇中帰省すると、友人のジェーン・アンドリュウスから、
「兄のビリーと結婚してくれないか」
と、切り出されます。兄は父から畑を譲り受けたし、アンドリュウス家はアヴォンリーではまあまあよい家柄です。
たいして知りもしない相手との結婚を考えられない。
おかしくもあり腹正しかったけれども、アンは友人ジェーンの心を傷つけないようにやんわり、でもきっぱりと断りました。
ジェーンももともと望み薄だと思っていたし、引き受けたくもない役目だったのであっさり引きましたが、心のなかでは孤児のくせに兄の申し出を断るとは…と思っていました。
「兄さんは、ネティ・ブリュエットもかなり好きなのよ。母さんはネティと結婚した方が良いと思っているの」
あんたが駄目なら補欠がいるから。補欠の方が、うちの家族から好かれているから、別に悲嘆はしないわよ…と。
滑稽ですが、昔はこんな感じだったのでしょうね^^;
私の母方の祖母も、本当は祖父の兄と結婚する予定でしたが、祖父の兄が戦死したため、祖父と結婚させられたと言っておりました。婚約相手に補欠がいるというパターン。
2度めの求婚
休暇を終え、レイモンドの大学に戻ったアンを待ち構えていたのは、同郷のチャーリースローンさんでした。
「将来、チャーリースローン夫人になる」と約束してくれ!
と、言い寄ってきました。
作中、チャーリー・スローンはひどい描かれようなのです。容姿は悪いし、勉強はできるけれど人間性や頭の悪いところを強調され、作者のモンゴメリもチャーリーが登場するたびにディスるほどです。プリシラやフィルにからかわれても、本人はモテていると勘違いしてしまう…そんなキャラです。
彼の求婚をやんわりと断ろうするアン。
(中略)精一杯婉曲にかつ思いやりを持って断ると―なぜなら、スローン家の者といえども感情をもっているのであるから、それを不当に傷めてはならないのである―
断られたチャーリーは相当な悪態をつき、アンを苛つかせましたが、それからしばらくして、新しい彼女ができました。
丸顔の血色の良い、獅子っ鼻の、青い目をした小さな2年生の女子学生。
アンにこれ見よがしと見せつけてきたようですが、アンにとっては知ったこっちゃない。アンの損失を思わせるための小細工として彼女を利用する下衆いチャーリースローンでした。
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