漫画ウィザードリィ外伝 復讐鬼の城編 レビュー⑯ 形勢

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  • 男前の忍者サンザVS悪道ザン・デン。
  • シェーラ、テツ、リィナVS忍者集団。
  • ショウVSケイヒ。

重大なカードの目白押し。
一方、カメラ変わってコウエン陣営。雪はまだまだ降り続いています。冬将軍も何も関係ない。事件は天候に左右されない迷宮で起こっている。

コウエンがギルの屋敷に赴くと…。

蒼鬼獣魔

ギル殿!?

ギル殿が…グレーターデーモン(蒼鬼獣魔)を召喚中!とんでもないことをしてくれている!ギルの塔ではマイルフィックとともにちょっとちらついた程度でしたが、今回は実体として存在している…。結界の中にいるから大丈夫だとは言え、共闘するにしても諸刃の剣です。こんなの。

無限に増殖したら、世界が破滅してしまいます。グレーターデーモン1体を召喚するのに四苦八苦したはずです。でも、1体召喚してしまえばグレーターデーモンは勝手に異世界から次々と呼び寄せることができるってことでしょうね。ギルが魔界から悪魔を呼び出すのと、グレーターデーモンが同胞を呼び出すのとでは勝手が違うのかな。いや、細かいことは気にするな!

コウエンがギルに「ご用件」を切り出そうとしたら、機先を制されてしまいました。

「ケイヒとザン・デンが言うことを聞かないんだよぉ…」って言おうとしただけなんです。

「勝手にやらせておけば良いでしょう」

と、二の句もつげないほどすっぱりと口をつぐまされてしまいました。
コウエンの本能を刺激したギルの圧力。こんな化物を召喚できる人間を見て、「俺のほうが偉いんだから、俺の言う事を聞けぇ!」と言うほど馬鹿ではありませんでした。さすが謀反を起こすだけのことはある…か?「相手の力量を見極められない奴は我が隊にはいらん!」どこぞの島の黒騎士もそう言っていましたね。コウエンは自分の弱さをわきまえているんだ。

ですが、分からない人もいるのです。これだけの圧倒的な力を見せられても。

ケイヒとザン・デンがそれぞれの役割を放棄したのは、お前の管理監督がなっていないからだと、コウエンのモブ側近がギルに詰め寄ります。彼らの不始末の責任を取れと。

コウエン殿の御前で…、その態度、万死に値しますぞっ!

「よ、よさぬか、もう―よ、よ―」

「いいえ!殿!留立御無用!!お命頂戴仕る!」

行った~!!!

この側近のサムライ、おそらくレベル8以上はあるはず。腕利きのはずなんだが…。
ところが、ギル殿にかかればモブ側近などこの有様。

右手でひと薙ぎ。
ミギーでも寄生しているのかってくらい強い。正伝1巻でロキが巨漢の戦士を素手で殴り殺したシーンを思い出しました。強くなればこの程度のことはできる。https://puntapunchiku.com/?p=115#toc2

ボッ!ボボッ!ボジュッ!

石垣環御大の独特の擬音!骨と肉が同時にぶち切られる時は、意外とこんな音がするのかもしれません。

ザンっ!とかズブシュッ!ではないんだ。

「構いませんな?」

「他に御用は?」

「いいや―邪魔して済まなかった―」

コウエンはすぐにギルの屋敷から退出。側近たちから、ギルのあまりの無体を抗議されそうになっていましたが、すぐに制止。それよりも寺院への第二陣を整えろと司令。

集まったのが500人。

「構わん!直ちに出陣させろ!」

えええ…。。。

ごひゃくぅ!!?

先日は、5000人が一瞬で殺されているのですぞ…殿!

漫画ウィザードリィ外伝 復讐鬼の城編 レビュー④ 修羅
ショウ、サンザ、リイナ、シェーラ、テツら、コウリュウ軍残党は寺院に立て籠もっていましたが、ショウはたった一人で城門を出て迎撃。敵の数は5000人です。ラハリトや剣圧などで圧倒していましたが、なんせキリがありません。 (adsbygoogle...

500人程度では、旧コウリュウ軍にも勝てないでしょう。まだまだ寺院にはかなりの人数がいますから!
もう正常な判断ができなくなっているご様子。

https://puntapunchiku.com/?p=2242#toc2

ゾロゾロ…。

なんだかんだあったけど、旧コウリュウ軍にはこれだけいましたからね。

忍者の大集団

「リトカン(塔炎)」

リィナが、めっちゃ頑張ってくれている!いつもは頼りなさげな表情を浮かべていますが、キッとした表情で僧侶系攻撃呪文を発動している姿は凛々しい。普段大人しかったりひ弱な女性が、戦闘モードに入ると非常に絵になります。

それと、さすが石垣環御大、リトカンに塔の炎と漢字をふってくださり、センスを感じますね。
しかし、敵もさる者。数体には炎をヒットさせましたが、かいくぐってくる奴らがいる。並みのモンスターや忍者ではかいくぐるのはほぼ不可能。打ち漏らした忍者たちが接近戦を挑んできましたが、テツが即座に対応!もう、あの頃のテツじゃない!これだけの大群と真っ向勝負できるってことは、戦士としてのレベルはマスターレベル(13)どころかLV16程度には到達していると思うのですよ。リィナもマスターレベルに近づいている気がする。

鉄の頭上から忍者が襲いかかって来た!
シェーラさんがすかさず僧侶呪文「ロルト」で斬り刻む。

それにしても。
ゲームだと前衛3人、後衛3人の6人パーティーです。3人しかいないと全員が前衛で戦う羽目になります。サンザが抜けているシェーラパーティーでは、結果的に3人全員が前衛になりつつあるものの、そうはさせないとテツがたった一人で前衛として踏ん張っているように見えます。涙ぐましいんだよな…テツって。。。外伝の男性キャラだと一番好きです。

リィナの杖によるヒーリング効果が遺憾なく発揮されています。しかし、多勢に無勢。どうにか斬り結んではいるものの、3人の疲労、MPの消費が凄まじい。このままではいずれ数の暴力によって全滅してしまう。

最強、最恐の凍気とは!?

もっと広範囲の…
威力の高い呪文を…

シェーラさんがこの状況を打開するために思案にくれていると、敵の忍者が!テツがドタマにカウンタの突きをぶちかましてクリティカルヒット!危なかった~…。

ん?

シェーラさんが、突如愛用の「粉砕のメイス」をリィナに預けた!

一体何を…?

ティルトウェイト(爆炎)も良いけれど、このレベルの呪文を唱えられるのは1度のみ。今回は温存したい。でも、マダルトの攻撃範囲では敵を殲滅させることができない。封じられた冷気系の呪文をイチかバチかで唱えてみる。

周辺の空気すら凍りついている。シェーラさんの体から放出されるマダルトなどとは桁違いの冷気。

ラダルト(凍嵐)!

この呪文は、ゲームだとFC版ウィザードリィに登場した呪文ラダルト。ラカニトと同レベルの呪文とは言え、この時代では体系的に習得することはできず、あくまでシェーラさんの自己流だったためか体にとてつもない負担がかかってしまいました。

敵の忍者共はほぼ凍結。味方のテツやリィナですら一部凍結。
シェーラさんの体はボロボロ。服もボロボロ。それだけじゃない!髪の毛が真っ白に…呪文を唱えた反動で生命力がもっていかれてしまったのか…。生命力3以上減らされたのかな…決して老いたわけではないはず。女盛りを一気に過ぎて老いてしまったとは思いたくない。

体力の回復をするべくリィナがすぐに駆け寄ります。

いかん!
まだ忍者が生き残っていた!半分以上凍ってはいるものの、腕だけは動かせる。刀を最後の力を振り絞って振りかぶっている。その切っ先はリィナの背中!

サンザ、シェーラ夫妻の危機!

シェーラさんが気づいた!

すぐにリィナを押しのけ…

シェーラさん!
シェーラさんの左胸に…!

白鞘の刀て…。
ヤクザが使う刀!鍔のない刀では、チャンバラする時不利だと思うんだけど、なぜにこんな得物を持たされているのか。安価だからか…。それともこの忍者の好みなのか?

なんてこったよ…。

要であるシェーラさんが死んでしまったら、このテツとリィナの運命は…。戦力的にも大幅なダウン。それに指揮を取れる人もいなくなってしまった。

サンザ、シェーラにスポットが当たると一気に緊迫感が増す。
ショウももちろん面白いのですが、あまりに強すぎるためショウの安否よりも、そばにいるフィルやキャンの方に注意が行ってしまいます。

それと、シェーラさんに刀をぶん投げた忍者。非常に練度が高い。ザン・デンのもとでしっかりと仕込まれたのでしょう。戦闘技術の高さだけでなく、自分の死を厭わずに最後の最後まで闘う。敵を一人でも道連れにする。バトル漫画において、この手の敵は、主人公たちと比べて圧倒的な力をもった中ボスやラスボスなどよりも非常に厄介です。ボスは基本的に驕っており、舐めてかかってくるものですが、練度の高いモブは非常に危険。主人公たちに挑戦する気持ちで向かってくるので、油断してはなりません。こういうことしてきますからな。

ザン・デンは部下や弟子を育てる能力は高いなと感じました。いくら多勢に無勢とは言え、こうも味方がちぎっては投げられちぎっては投げられしてしまったら、泡食って逃げるのが普通です。コウエンの側近だったらほとんど逃げちゃうでしょうね。

シェーラさんが放ったとんでもなく強大な冷気。
ザン・デンが異変に気づいた。

サンザが…仰向けでクレーターのど真ん中で身動きが取れなくなっている…。絶対絶命。腹を見せている犬ころのように…(;_;)ザン・デンが止めを刺そうとしたその時でした!

ダンジョンの壁が割られる!?

続く!

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