井上啓二さんのWizardry小説に夢中になる

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迷宮生命保険が面白い!

現在、ブレイド&バスタード -灰は暖かく、迷宮は仄暗い- (DREノベルス)が話題を読んでいます。
私もいずれ手に入れて拝読したいと思っております。

ブレイド&バスタード -灰は暖かく、迷宮は仄暗い- (DREノベルス)

すでに、Wiz界隈では大きな話題となっており、Wizardryシリーズの久々の小説ということで、古参の方々や「ゴブリンスレイヤー」繋がりで、新たなWizファンも増えていると思います。

Twitterでも、多くの方がつぶやいており微笑ましい熱狂ぶりです。火を絶やさずに、燃やし続けてくれるのがWizファンの強みですよね。

さて、私が今回注目したのがこちらの「朗読小説」です。

井上啓二さんの作品です。

井上啓二さんのTwitterは、以前からフォローさせていただき、つぶやきも拝見しておりましたが、作品はまだ見ていませんでした。

井上啓二@Deetwo(@InoueKeiji)さん / Twitter

数日前、フォロワーの凛火さんhttps://twitter.com/Taketomi_76が、Tweetした内容を見て拝聴開始。

車の移動中、3話分一気に聞いてしまいました。

一言で言いますと…

超面白い!!!

はっきり言って、引き込まれてしまいました。もう少し運転時間が長ければ、全部聞いていたはずです。まだ3話分しか聞いておりませんが、とても素晴らしいオーディオ小説でした。TBSラジオとかで放送してもいいくらいの出来でした。

もっともっと再生数が伸びてほしい、素晴らしい作品だと思いました。応援しているミイラさん同様、バンバンと登録者数、再生数が伸びてほしいと願う作者様です。

井上啓二さんの作品について

井上啓二(@Deetwo) - カクヨム

一気に引き込むストーリー展開

ストーリー、声優、登場人物たちすべてが輝いていました。

声優さんの声が素晴らしくて…キャラにピッタリの配役!

Wizardryを知り尽くし、愛情がないとこれほど高レベルの作品を作り出すことはできません。
我々はゲームやOVA、漫画などを通じてWizardryの世界に触れてきました。ゲームもやり方さえ覚えてしまえば、傷つきながらもキャラを成長させることが可能です。ゲーム感覚でサクサクプレイできます。また、石垣御大の漫画やアニメについても、ベテラン以上の冒険者たちが戦いを繰り広げていくストーリーでした。迷宮初心者を先輩冒険者が導いていきながら、戦いに慣れて成長していくパターンでした。

冒険者は初心者の若者ばかり!

しかし、この小説は、迷宮初心者しかいないパーティーのストーリーですので、私にとって非常に新鮮でした。

私が聞いたお話は、駆け出しの冒険者たちが初めて「死」を迎えるまでのお話です。
主人公は僧侶の女の子、あとから気付いたのですが、彼女は転生してWizチックな世界に来たようです。

6人パーティーとはいえ、10代半ばの若者たちばかりです。

アラサーの猛者がいないで、若造ばかりでリアリティがないなどと思うなかれ!

Wizardryのゲームを思い出してくだされ。
キャラ作成時、13~17歳位の若者たちばかりだったはずです。

そんな彼らが、どんな思いで迷宮に潜り、迷宮の空気、匂い、圧力を感じ、そして敵と戦ってきたのか…。迷宮の描写だけでなく、主人公の女の子僧侶を通じて体感できるモンスターたちとの生々しく泥臭い戦い。

今風の若者らしいカジュアルな言葉使いですが、そんな明るいノリで軽口を叩いているのに、戦闘に入ると一気に緊張が走ります。「迷宮童貞を卒業しようぜ!」という軽いノリなのかなと、思っているとシビアな戦いに叩き込んでくる。この温度差が非常に絶妙です。井上さんの凄みの一つかなと思いました。

リアルな戦闘描写!

漫画やアニメのように、何の躊躇もなく敵に斬りかかり、首や腕をクールに叩き落とすような話ではありません。

彼らはコボルド相手にてんてこ舞いです。

クラシックなWizardryではレベル1の時のコボルド戦なんて、必死ですよね。コボルド4匹と戦ったら、死者すら出かねません。

みんな初体験。

頼れるのは訓練場上がりの腕前。そして、戦いのセオリーのみです。

ぎこちない訓練場上がりの腕で、ロングソードを振りかぶる駆け出し戦士たち。
後衛の魔法使いもビビりながらも何とか呪文を詠唱。意識を失ったコボルドにとどめを刺す盗賊。魔物とは言え、生き物を殺すことへの葛藤も行間(朗読)から感じ取ることができました。

BGMも最高!主人公の女の子が恐怖と戦いながら、メイスをぎこちなく使う所がメッチャクチャ臨場感がありました。

「盾使え!盾ぇ!」

戦士のセリフが、緊迫感を更に高めてくれました。

いや、ほんと怖いですよ。リアルでも小型のナイフを持った変質者なんか見たら、腰を抜かしてしまいそうなのに、蛮刀とシールド持った狼人間みたいなコボルドと相対したら、誰でもこうなります。

ってか逃げます。

盾で攻撃を防いでも無傷じゃないですよね。

腕がビーン!ってしびれるに決まっています。この辺の描写が…!最高なんです!

Wizの世界観を忠実に、自然に再現!

盗賊の宝箱の罠解除シーンはかなり熱かったです。

他のメンバーが「毒針以外はNG!」のセリフがもう…。
確かに爆弾、ガス爆弾などを発動させてしまったら、レベル1のパーティーは全滅してしまいます。「弩の矢」くらい平気だろうと思うかもしれませんが、低レベルのキャラに刺さったら即死です。

宝箱開封の緊迫感も非常に良かったです。手に汗握る展開。大した犠牲もなく戦闘には勝利したものの、まさかここで罠大発動…なんてオチもありかなと耳を澄まして聞いていると…。

うん、すごく良い!

井上さんもWizを知り尽くしているお方であると、思わせるシーンがいくつもあり、そのたびに感動していました。

「まだ行けるは、もう行けない」

そうなんです。

呪文残数や味方のHPを見て、城へ引き返すか、もう一戦やるかを決めます。レベル1、2の頃、この選択肢はまさに生と死を分けます。絶対に無理はしてはいけない。一戦を全力で戦い、すぐに城へ戻る。これが鉄則です。

鉄則ではあるものの、なにせ勢いだけはある若者だらけのパーティーです。このノリで、玄室に飛び込んでしまいかねないかと心配しました。このような、登場人物たちがどんな選択肢をするかもワクワクさせられました。

死の恐怖を味わうがいい・・・

「みすぼらしい男」の不意打ちも怖かった…。ここは是非直接聞いていただきたい。

セオリー通りに戦っていたのに。
不意打ちを仕掛けてきたみすぼらしい男たち。怖いですよね、レベル1でローグやブッシュワッカーと遭遇したら、間違いなく死者がでます。

魔法使いが魔法を使わず、短刀を振り回すシーンも生々しくてリアリティに溢れていました。たまらん。。。

死へと落ちていく描写も大変良かった。

ゲームのWizardryでは、呪文レベルがあり、レベルごとに使用回数があります。
一日に唱えられるのはn回のみと決まっており、その説明も物語の中でされています。ゲームをオリジナルアニメなどにしてしまうと、MPの残量は曖昧になってしまうものです。

しかし、この物語ではキャラ自身がはっきりと把握しているんですね。私の文章を見ただけでは不自然じゃないかと思うかもしれませんが、物語を聞いていると自然と違和感なく納得できてしまいます。

私が驚いたのは「生命保険会社」の存在でした。
保険加入者である冒険者が、迷宮で息絶えてしまったとき、その遺体を回収してくれる会社です。
相当な腕利きでないと出来ないお仕事です。

迷宮に入る前に加入しておく生命保険。現実世界の生命保険と同じような考えですが、Wizardryの世界にこのアイデアを持ち込んだのが素晴らしい。

もっと再生数が伸びて良い物語です。Wizファンの人には漏れなく聞いてほしい作品です。

ウィズの輔は井上啓二さんを応援しています。

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