ギルとの勝負。
そして、異形のモノたちの人間界への侵入をかろうじて防ぎきったショウたち!
東方の世界には平和が訪れた…
リルガミンとの戦争もこの頃はすでに終結していたのでしょう。他にも国はあるのでしょうが、それは現代社会のように時折紛争、戦争があるものの人類同士のもの。
ホウライで紛争が起き、君主が闇討ちされて死亡。大反乱が起きて都市は崩壊寸前。かつ、反乱軍も正規軍も大勢の兵士が戦死し手薄となった…。他国が攻め入る大好機のはずですが、各国の諜報部隊も馬鹿ではないのでしょうね。
- 異形のモノ、それもグレーターデーモンを倒した手練れが居る。
- 5千人の兵士を一瞬にして消し炭にした侍がいる。
- マリクトやティルトウェイトの使い手がいる。
- 旗本部隊のエンカイは無事(エンカイの名は隣国まで轟いているはず)。
賢明な君主であれば、1.2.を知った時点で攻めるのをやめるでしょうね。
復興に大忙し。
ショウ、サンザ、シェーラ、ルーたち功労者は、復興作業など手伝わずに「とにかく休め!」と言われているようです^^
兎にも角にもまずは復興だ!
戦後処理、権力争い…クーデターが懸念される
ちょっと気になったのが、ルーが言っていた、
「国境から働かないジジイどもが戻って来たら大騒ぎになるわね」
地位は高いけれども閑職の重臣共等でしょうね^^;
国境にいるのは、避難あるいは旗本たちと一緒に国境警備に回っていたか…?いやらしく考えると前者のような気がします。
コウリュウは、イズモ城下で頻発する不審事件、国境を犯す謎の兵士の一団については「他国の侵略」であると、コウリュウは判断。
旗本部隊は主に国境警備隊として出張っていました。
もちろん戦火が激しかったのは、イズモ城下であり、他国からの侵略ではありませんでした。コウリュウが討たれたと知るやいなや、虎の子の旗本部隊がいる国境まで遁走したのかもしれませんね…。
旗本ではないにせよ、コウリュウ直属の武闘派も城内に残っていたので、上手くすれば彼らがコウエンの反乱を鎮めてくれるかもしれない…なんて思いながら、ジジイどもは国境でビクビクと風見鶏決め込んでいたのかも。コウエンと内通していたものもいたでしょうし。
コウリュウに跡取りはいなかったのかな?
勝ったは良いものの、戦後処理を考えると…よほど調整力のある人間が上層部にいるか、あるいは強権力を持った人がいないと収まりつかなそうですね。
サンザが、
「今から先のことを考えていたら、頭痛がしてくるな…」
と、愚痴っていたのも頷けます^^;
大功をあげ英雄に祭り上げられてしまった後、自国内で身の危険が高まるのは、大陸の歴史ではよくあること。フィルの口ぶりでは、ショウやルーが舵を切っていくような感じですが…、ジジイどもは政治にかけては一癖も二癖もありますからなぁ…。こんな奴らだからこそコネや現役に対する圧力を持っていたりするから厄介なんだ。
フィルのような重臣の息子、住民、兵士からいくら慕われていても、ジジイどもが結託したら、ショウたちも居場所がなくなりかねませんからね。
となると…クーデターでも起こすしかなくなります。
サンザは忍者稼業なので、血なまぐさい政治的な寝業を目の当たりにしてきたはずです。それで、頭を悩ませているのかもしれません。
テツを故郷に返さず、将軍に任命して兵士の心を掴むのも良き。
『イズモ維新』はあったのだろうと…勝手に妄想しちゃいますね^^;
漫画ウィザードリィ正伝のトレボーへ…
ルーは女王(おおきみ)様と言われてずいぶんと居心地が悪そうなご様子。リルガミンでは「爪弾き者だったんだから!」て^^;男のように鍛えられ、世継ぎが生まれたから女らしくしろと言われ、王宮が窮屈なので前線へと行ったきりでしたな、おおきみ^^
にしても…どうしてテツとリィナが居ないんだ?
自分たちの故郷に戻ってしまったのか?
と、初見時思っていました。今回、レビューを書くにあたり読み返してようやく気づきました。
テツとリィナ、ちゃんと居たじゃないですか!
ゴメンな…全然気づかなくて…。
オードブルセットを運んでいました。召使みたいな感じになっていて、完全に見落としていました。ルーがキャンに突っ込むためとはいえ、最後のキャンとか良いから…^^;テツとリィナのコメントを見たかったなぁ。
「あんたは…風情の欠片もないの!?」
ホントだわ!
テツの私服!
決まってるなぁ~!ショウは90年代の学生が着ていそうなジャケットとジーパンらしきものを身に着けてラフだったのに^^;
テツはこの時代の婚活パーティーに着ていくような衣装!テツはこう見えて、細かいところに気遣いのできる漢。戦闘中、幼馴染のリィナを励ましたり。
個人的には、外伝でのイケメンはサンザとテツだと思っております。サンザは人生経験も豊富だし、以前は所帯を持っていたし、強さだけでなく、家族思いで、自分の息子とショウを重ねたり…正伝のロキやサコンとは違ったイケオジぶりを見せてくれました。
シェーラさんともしっかり心がつながっているし、非常に好感度が高い。年の功と言ったら年の功かもしれません。でも、非常に魅力的です。
私はやはり…テツかな!登場時の彼と最終話の彼とでは全く違います。
闘いの中で心身共に成長。作中、リイナに対しての恋心を感じるシーンはありませんでしたが、彼の中では「リイナとは結婚するのだろう」と、思っていそうです。幼馴染を守ろうとする姿も良き。
最初はショウとサンザの足手まといのようでしたが、戦闘重ねて頼られる存在へと成長。特に、鳳龍の使い手であるシンにトドメを刺してくれた時は…しびれました!私は思わず心のなかでガッツポーズしちゃいました!
- テツはこの国に士官するのか?故郷に帰るのか?侍になるために武者修行に出るのか?
- リィナはテツについて行くのか?
この二人の今後についても触れてほしかったですね。
そして…
「ショウとルーシィディティの血筋の果てに…狂王トレボーが誕生するのは850年程後のこと…」
雑談
漫画ウィザードリィ外伝では、主人公側のキャラたちが呪文や物理攻撃のダメージで苦しむシーンよりも、呪文や奥義を繰り出した後の疲労困憊やレベルダウンの方が多かった気がします。回復呪文では回復させられないのが痛々しくてな…(;_;)
ショウは放っておきゃあ治るけど、シェーラさんの披露、サンザの幻影陣発動後のレベルダウン、フィルのエナジードレイン、ケイヒの鳳龍奥義発動後の披露などなど。
シェーラさんの髪の毛の色が変わったのは、「白髪になったので老けた」と思い込んでいました。しかし、ウィキペディアにはこう記載されていました。
しかし「凍嵐(ラダルト)」の反作用のためか、復活の状況が特殊であったためかは不明だが、髪が変色し、若返った模様[8]。
※[8]第三部 復讐鬼の城 第19話「甦生」66ページの蘇った当人の最初の台詞で、そのことを公言している
確かに「若すぎるかも」と書かれていましたが、これは作者の石垣環御大が、シェーラを借りて「老けた感じにしたかったけど、思いの外若くなってしまったのだ」と読者に伝えたいのかなと思い込んでいました^^;
まあ、老けていようが若返っていようが、外伝イチ良い女性に変わりはありませんけどね^^私は外伝の女性キャラではシェーラさんがNO.1です。
それと…何度も書いて申し訳ないですけど、このお花見に…ショウの妹ケイヒが居てくれたらどれだけ良かったか。
ケイヒ「兄上!義姉上!お待たせ!」
ルー「義姉上はやめてって言ったでしょ。ルーで良いわよ」
こんなシーンがあったら^^;
ショウとルーの子孫が、どこをどう間違ったらトレボーのような捻くれた人間になってしまったのか。強さはともかくあの性格ですね。
もしかしてショウの『クサナギの鎧』が、トレボーの装備していた真紅の衣と同じじゃないかと心配になって、正伝1巻を振り返って見ましたが、全く違う形でしたね^^;
クサナギの鎧はどこに消えてしまったのか。
どこかの山奥に鎮座ましましているのかもしれません。
石垣環御大のあとがき
なんと、外伝最終巻には御大のあとがきと年表も掲載されています!
あとがきは読みたかったのですが、レビューを書いてから…と思い控えておりました。
明るいタッチで書かれているものの、石垣環御大と親しくされているフォロワーさんのつぶやきからして、当時は過労死寸前のような状況の中描きあげたようです。御大もあとがきで「おげげげ」とおっしゃっております。
「復讐鬼の城編」は長くなる見込みだったようで、5分の1を削ったようです。ファンとしてはぜひとも削らずに描いてほしかった。もっと余裕を持って連載をしていたら…。今と違って当時の漫画連載ではあまり休載できなかったでしょうし、心身共に負担が重すぎました。
驚いたのは御大が「ファンタジー」嫌いだったこと。てっきり根っからのマニアだと思っていました。でないとウィザードリィのようなゲームにハマらないだろうと。SF好きだったのですね。
「こんな人間が描いたために、私のウィズはこんなふうになってしまいました。もちろん『ウィズ』のファンにも申し訳ありません」
何を仰る!
連載終了から30年以上経っても、令和になってもファンたちから大人気。続編も希望されているし、大人気じゃないですかぁ。゚(゚´Д`゚)゚。
噛み締めれば噛み締めるほど、魅力的になってくるのが漫画ウィザードリィ。次のコーナーである「WIZのあゆみ」を見てみると、まさに89~91年は激動の時代でしたね。
1989年
昭和天皇の御崩御。
ゲームボーイ発売!
1990年
WIZ3、DQ4、FF3が発売。
礼宮様と紀子様がご結婚。
湾岸戦争。
1991年
雲仙普賢岳が噴火。
ソ連解体。
WIZ5発売。
漫画ウィザードリィが大変な名作であるのは、石垣環御大の画力、ストーリー、血を絞るようにして入魂したから。
加えて、この時代には名作シリーズが次々と発売され、RPGのムーブメントも土壌にあった。う~ん、この頃は小学6年、中1だったなぁ…リアタイでは御大漫画に出会っていないんですよ、私。゚(゚´Д`゚)゚。
中3,高校1年だったかな…古本屋で手に取ったのが初めてだったような。
熱い時代だったんだな。
漫画ウィザードリィの正伝から外伝までのレビューは、これが最後となります。今までご覧いただきまして誠にありがとうございました!
レビューは終わりますが、気になることや紹介したいことはありますので、「漫画ウィザードリィ」関連の記事はこれからも書かせていただきます^^
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