ガロフォリの家から飛び出したものの、行くあてはなし。
宿も泊まれず、パリ郊外にある石切場で野宿をしようと、寒風が吹き荒れる中徒歩で移動。

散々迷った挙句、石切場は閉鎖しており、堆肥と藁を積み重ねて夜を過ごすことになりました。

リーズ!
このタイトルを見ただけでも救われた感じがします。
家なき子レミでは、とても可愛い女の子でしたね。
アキャン一家
レミが目を覚ますと、ベッドの上で横になっており、部屋は炎で明るく照らされていました。
灰色の上着を来た男性と3,4人の子供がレミを取り囲んでいました。
レミは花作りの家の木戸で、眠り込んでいました。花作りの主人がレミとヴィタリスを発見。ヴィタリスはすでに凍死していましたが、レミはカピを抱えていたお陰で心臓に温もりがあり息がありました。
ベッドに寝かせてもらい、そこで6時間の間仮死状態でしたが、血が再び循環し呼吸も強くなり、目を覚ましました。
ヴィタリスの死。
レミにとっては衝撃的でしたが、読者としては大体察しがついていました。私自身、ヴィタリスファンからは怒られそうですが、これでレミもしなくて良い苦労をせずに済むと思い安心してしまいました…。
私は旅芸人の仕事やヴィタリスの生き様を否定しているわけではありません。身の振り方を間違えることが度々あり、その不幸の割合はヴィタリスよりもレミが多く被っているからです。
どこかの街で警官から興行を取りやめるよう注意した時も、民衆を味方につけて警官を茶化しました。レミは反対の意思を表明しましたが、ヴィタリスは強行。挙句の果てに刑務所に入れられ、レミは一斤のパンが辛うじて買える程度の所持金しかなく、方方をさまようことになりました。
ミリガン夫人にレミの引き渡しを拒んだこと。
大雪の日にパリへの道を急いだこと。ジョリクール、ドルチェ、ゼルビノが死亡。
ガロフォリにレミを預けようとしたこと。
今回、レミを凍死寸前まで追い込んでしまったこと。
このあと、ヴィタリスがいたら同じような危険な目に遭っていたと思われます。
もちろん、ヴィタリスには良いところがたくさんあります。文字や音楽を教えてくれたこと。彼は非常にものしりであり、自分の知識をレミに与え、学校教育と同等、いや、それ以上のものを学ばせてくれました。それと、当時の親方や師匠と言われる人たちは子供を手荒に扱っていたはずですし、殴ったり蹴ったりは当たり前でした。ヴィタリスはそんなことはしませんでした。ヴィタリスは立派な人です。
リーズとの出会い。安住の地となるか…?
レミを囲んでいる子供達のうちの一人の5,6歳の女の子。彼女はほとんど話ができませんが、レミは自分にたいする彼女の眼差し、仕草などから、ミリガン夫人やヴァルブラン母さんと同じ親しみや温もりを感じました。
そう、この娘こそがリーズ!
暖かいスープを運んできくれたのがリーズ!
主人公にスープを運んできてくる女の子、これはヒロイン確定です。主人公が飢えや寒さに苦しんでいるときに、食事を差し入れてくれたり、マフラーを編んでくれる女の子は、その時点で主人公の恋人確定です。
レミは、ヴィタリスは自分の師匠であり、家族はなく天涯孤独の身であることを話しました。スープをガッツリ飲んで少し元気になったので、リーズからのリクエストに応えてハープを弾いてあげました。リーズは話せないので、ニコニコしながらハープを指さしたり、アンコールをお願いする時はきちんと姿勢を正して愛らしい上手なお辞儀をして、非常にお行儀が良い子です。
どうやら、この家族の父親とその家族はみんな良い人そうです。
レミはヴィタリスの遺体を拝んでから、また旅に出るような素振りですが、ここでしばらく暮らせたら最高です。
「暖かいベッドや暖炉のそばでくらしてみないか?」
来た!花づくりの旦那さんからの最高のお誘い!

「贅沢をさせてやるとかぶらぶら遊ばせてやるというわけではない。苦労もあるし、辛いこともある。朝早く起きて一日中畑を耕し、汗を流してパンを稼ぐことになる。晩飯を食べながら、これは自分で働いて得た糧だと満足した気になれる。うちの家族になってもらおう。」
有無を言わせない感じが良い!
リーズも目に涙をためたままにこにこしております。
リーズの太鼓判!
もう、ここで暮らしましょう!
レミは旦那さんの申し出に内心大喜びです。家族が持てる!自分にも弟や妹ができるという喜びです。今までバルブラン母さん、ミリガン夫人、そして、ヴィタリスと辛い別れが続きましたが、安住の地となるかもしれません。
今日からアキャン一家の一員です。
父親のピエール。
息子のアレクシとバンジャマン。
長女のエチエネット。
そして、リーズ。
母親は、リーズを産んで1年後に病死。
リーズは生まれつき口がきけないのではなく、4歳になる少し前にひきつけを起こした結果、口がきけなくなってしまいました。知能には全く影響がないどころか、並外れた早熟ぶりをしめし、単に理解するだけでなく、どんなことでも伝え表現するのでした。この時代口が聞けないからと言って、家族のものに邪険にされるどころか、親兄弟から可愛がられておりました。
ヴィタリスの死の悲しみよりも、アキャンさんに救われたことで安堵できた回でした。不幸の連続からの救いの手。主要キャラクターと思われるリーズとの出会い。彼女の愛らしさ、賢さはぜひ本書で読んでいただきたいところです。ヒロインの内面的なチャームポイントの描写は、名作劇場系の現作品の見どころの一つですね。
補足:ヴィタリスの過去
レミは警察署に行き、ヴィタリスの身元確認、凍死することになった経緯を話すことに。警察はレミを連れてガロフォリ宅を訪問。ヴィタリスの人となりを聴取。
超主要キャラの過去をすべて書いてしまうのもあれなので、イタリアで有名な歌手であったことだけは書いておきます。




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